2009年 04月 22日
これまで書いてきたことは、2つのうちCAMについての昔話です。すでに素晴らしいマシンが誕生した時代に何をいってるのだとお思いでしょうが、私としては悲運の戦艦大和を思い出してならないのです。鉄腕アトムにあこがれて二足歩行のアシモの開発に努力された方々とは、発想の原点がちがいます。二足歩行という大前提があれば、あのオバケマシンはできません。なりふり構わず技工士の手に頼らずクラウンを作りたいという執念が、このモンスターを完成させたのでしょう。 CADCAM様にジルコニアのフレームを作ってもらうには、形成印象、作業模型製作を終えて修復物の最終形態をワックスアップし、ポーセレンを盛り上げる部分をカットバックしてからです。つまり適合咬合関係など完璧な原型をお渡ししなければならないのです。CAMのお仕事は渡された原型を忠実にジルコニアに置き換えるだけですが、CADの仕事は光学的印象の流れを引き継ぐレイザー計測です。着脱方向を決めると計測が始まりますが、アンダカットなどがあればたちまち「計測不能!」というアラートがでます。取り付け方法を修正したりしても治まらなければ、コンピューター上でPhotoshopの境界線の拡大のようなことをするのだろうと思います。(この部分は推測です。) 先日も前歯の3本ブリッジ2ケースがこの天の声で返却されました。口惜しいので支台歯形成はそのまま、アナログ技工でエンプレスのブリッジをセットしましたが、口の中にミリングマシンを持ち込めるわけではなし、絶対アンダーカットゼロの支台形成は無理です。それでも押したりひねったりして何とかやっているのです。そうした裏技を止められたら生きていけません。 もう一つ分からないことがあります。大半のジルコニアは半生な状態で加工されます。その後焼成することで寸法は20〜30%小さくなります。セラミックではいつもつきまとう問題ですが、その修正はどうやって行われるのでしょうか。半端な量ではありませんが、ここでもデータ処理の結果調整されるのでなければCAMの仕事は終わらないはずです。
by my-pixy
| 2009-04-22 09:13
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