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2006年 03月 29日
破折した支台歯
破折した支台歯_f0103459_1063587.jpg破折した支台歯_f0103459_10255635.jpg 今月始めにリポートした6本の水平破折歯のうち復旧が最後になったのが左下の写真の小臼歯です。ブリッジをセットしたのは1976年11月でまだ高校生の時でした。正確な記憶はありませんが上顎の叢生をなおしたりして、近心傾斜した7をクラウンにしてブリッジを装着しました。1977年には右側にも4~7のブリッジを装着しています。
 孫の子守りとしても来院されるようになった患者さんを見ていると、30年という年月が容易ではないことを感じますが、エナメル上に形成された4/5冠のマージンにはどの部分にも異常は認められません(1)。素晴らしきかなリン酸亜鉛セメントです。同じ様なケースで「歯を削るよりもインプラント!」と主張するには、少なくとも、あと20年の年月を必要とするでしょう。
 キーウエイの部分には著しい摩耗がみられましたが、4/5冠を切断しレジン前装冠を鑞着するだけで、あえてブリッジの構造は変えませんでした(2)。再び小臼歯に何らかのトラブルが起こり、キーウエーが次の補綴物を受け入れる状況もイメージされたからです。現在この患者さんは、不利な歯冠歯根比に歯周病が重なり上顎臼歯部の崩壊が進み、パーシャル・デンチャーが避けられなくなっています。上顎は3~3のみ残存という状態は避けられないかもしれませんが、生涯その壁は破られないと思っています。

by my-pixy | 2006-03-29 16:05


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