2011年 06月 09日
基本ゼミの宿題3
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 9人の若い歯科医の困っている症例です。ケネディやアイヒナーなどの分類を引き出すまでもなく、大臼歯の咬合支持が失われ咬頭嵌合位が不安定になっていることがすべてのケースに共通しています。ご多分にもれず取り外しの入れ歯にしたくない、固定式にして欲しいという要望も多いようです。
 まだ詳しく聞いてはいませんが、これらのケースにインプラントを植立し、ボーンアンカードブリッジを入れようかという方がわれわれのセミナーに見えるはずもありませんし、パーシャル・デンチャーのケースだろうと思っていらっしゃるようです。しかしこの状態になっても固定性と言われることは、過去に取り外しの辛い体験があるからです。ちらほら見かける無理な延長ブリッジが今日を招いたことも想像できます。
 一息入れて1〜4の4枚を眺めて下さい。何かよく似ていませんか。左右に回転したりすればさらにはっきりするでしょうが、4名の方には別室でお話し頂いたら面白そうです。さらに咬耗著しい1.と4.にも共通の悩みはありそうです。それぞれ「私の方がまし」と自慢話ができそうです。シングルデンチャーまっしぐらの8.を除くと、679もホープレスな歯をあきらめると今より類似性がきわだってくるはずです。欠損歯列の分類などこんなもので、こだわっていると亡者になって他の景色が見えなくなります。

 開業医にはペリオも移植もありますし、何より患者さんのお話しをよく聞かなければなりません。その上で時にはNOといえる歯科医になって欲しいものです。患者様!患者様!とすり寄る迎合診療はNOです。もう一つ、ここでの話しは2011.6現在だけのことですが、患者さんにはこれからの長い人生があります。大切なことは現在だけのデータに過去や未来を重ね合わせて、4次元的なものにしていくことです。そのために最も大切な事がプロビジョナル・レストレーションです。当日、私が皆さんのケースにあわせて行う予定のプレゼンも、その一環です。

by my-pixy | 2011-06-09 07:30


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