2011年 07月 25日
週末は2011基本ゼミ第4回でしたがブログでアルギン印象の話しを読んだ受講生の方が、全顎対合歯専用パンチトレーをもってきて下さいました。 対合歯の歯列のみと割り切ったことで、上下顎併用 S.M.L の 3つだけに限定して製品化を容易にしたのでしょう。見かけよりは丈夫そうですが周縁が切りっぱなしで後縁のカットが悪いので試適時快適とはいえません。上の段はアンダーカットの影響を少なくしようという、われわれの昔々の試作品です。脆弱で歪みを内蔵しやすいが必需品でもあるアルギン印象材とどう付き合うかについて、これまでに得られた結果は以下の通りです。 1. リムロックトレーと印象材との結合は不十分で印象撤去時にずれやはずれが起こりやすい。 2. その防止を目的にしたアルギン接着材はその効果があいまいで問題をかえって分かりにくくする。使用後の清掃性にも問題はあり使うべきではない。 3. リムロックに較べると、保持孔の部分の観察でトレーと印象材の結合状態をチェックできるパンチ孔つきトレーは有利だが、印象圧はかかりにくかったり使い方はむずかしい。 4. 印象撤去時のはがれや歪みを防止するには、徹底したアンダーカット対策が必要で、印象範囲を不用な部分に拡げないことや、歯冠空隙などの埋め立てに手間をかけることが必要である。 5. 総じて簡便に使えるアルギン酸印象材ほどデリケートで、使用者の配慮次第で大きな違いが出る材料はないことがはっきりした。
by my-pixy
| 2011-07-25 08:17
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