2011年 10月 09日
第10回もくあみ会
f0103459_18513384.jpg 第10回もくあみ会
一番身内の集まりなのに、このところ似つかわしくない会場に定着しています。新宿の京王プラザです。メンバーのコネでスペシャルプライスになっているらしいのですが、どうにも分不相応な部屋に押し込まれいつも睡眠不足になってしまいます。若手の会ですが、私には出番があるようなないようなファージーな企画なので、こちらも訳の分からぬ話で煙にまいてやろうと10枚のプレゼンテーションをつくり上げました。
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 しかし、内容は意外に大真面目で、私のライフワークと言っても良い咬合再構成の中心になる顎位の決定や欠損歯列の分類さえ自己否定する内容を含んでいます。移植やインプラントで欠損歯列の改変が日常的に行われる今、プラークコントロールもなかった100年前の仮説が徘徊するのは、どう考えてもミスマッチなのです。
 進路に迷っている若手に対しては、少なくとも1時間はかけてゆっくり話すべきだとも思いましたが、過去のガイドラインが今は足かせになっていることも事実なので、この会の主力メンバーには理解してもらえると判断しました。ふたを開けてみると、今回の若手の発表の中にも、わたしの思いを着々と実現しているケースを見せられ、彼らへの応援歌のつもりがこちらへの敬老ソングになっているようにも感じました。

 私のスタートラインになった「すれ違い咬合」は、英語表記では認められなくとも日本の臨床家の中では誰知らぬテーマになりました。片顎の欠損だけで対合歯のことさえ問題にしないケネディの分類は数十年来わたしの標的でした。社会もその頃生まれる症例も時代とともに変化します。臨床もそれにつれて変わらねばならないはずなのに、総義歯が究極の処置だった90年も昔のカマーやケネディの分類が、亡霊のように現れることには我慢がなりません。その後を追ってきたアイヒナーや私達の考えも大きな曲がり角にきているのです。

 AAPはいつしかインプラント学会に変身しましたが、心ある日本の歯科医はひたむきに歯牙の保存に取り組んできました。始めは無理な保存!と白い目で見ていた重度歯周病の歯牙保存も,千葉、下地らの10年を越す症例経過で次々と実証されるようになりました。もはや日本の歯科医療は欧米とは一線を画した領域に入ったことは間違いありません。さらに歯牙にかかる力の大小が経過に大きな差をもたらすこともはっきりし、難しいクレンチングへの対応も避けられなくなりました。
 このように欠損歯列の経過を左右する第2、第3のファクターの関与がはっきりしてくると、欠損歯列の図式ばかりを絵に描いて論ずることの空しは動かしがたいものになってきます。さらに追い打ちをかけたのが欠損歯列の改変です。

by my-pixy | 2011-10-09 09:19


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