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2013年 10月 23日
偏在とすれちがい・2
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11月17日のワークショップに症例を提示して頂いている先生から第2弾を送って頂きました。
2012年と2013年での6症例ですが患者さんは62才から74才までで平均68.2才です。残存歯は15〜16歯ぐらいですが申し合わせたような偏在一色です。

すれちがいや偏在には半世紀にわたり並々ならぬ関心をもってきました。近年めっきりその数が減り絶滅危惧種かと思っていましたがそんなことはなさそうです。私があまり喜ぶのでメールの件名は「宝の原石」になっていました。東京から遠くはないところですから折を見て見学に行ってみたいものです。

 パーシャル・デンチャーにからんで、咬合崩壊症例が若い歯科医にとって喫緊な問題と思ってきましたが、これだけの予備軍が東京近郊でも発見されたとなると○○のシーラカンスなどと冗談もいってはいられません。同世代の後期高齢者をインプラントやCAD.CAMの餌食にしないために、なぜこうなったのか、これからどうなるのかに本気で取り組まなければなりません。人にとって歯とは何か?ワークショップにもいよいよ力が入ってきます。

 いくら患者さんの要望だからといって、この年代のこれらの症例に一次固定をベースにした全顎的補綴を行えば術後対応がきわめて困難になることは見えています。10月18日トップのケースがその象徴です。その前の状態で人生後半の補綴設計を考える必要があるので、この6症例は何れも重要なターニングポイントにあると思われます。後期高齢者といえ6人6様でしょうが、70才を寸前にあまり負担をかけず、種々な変化にも対応しやすい方法は!ということが最優先課題になるべきは当然でしょう。

by my-pixy | 2013-10-23 16:58


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