2014年 05月 20日
Boston
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1月4日
 9時半、音に聞くフォーサイスに行く。意外と小さいことに驚く。診療室内の色調はペンキの色、肌の色、髪の色などがちょうどS.F.Oの家並みのように淡いトーンに統一され、日本では考えられない色彩効果を出している。ユニットを右側に移しスピットンのみを椅子の左に置いたアレンジ、オートクレーブ、アマルガメーターなど器械を真中に集中させた配置が面白い。移動式キャビネットはわれわれと同じだがすごく美しい。ペルトンのライトがほとんど使われている。クラウン等のダイは錫メッキが主でクリプテックス等がサブに使われている。その他椅子のバックにシリンジを取付けたり、トレーシステム等も試験的に行われているがすでに書籍ではおなじみの設備だった。外科の器械はすべてオートバッグに入れられすべてが使い捨てのアメリカ的消耗品が随所に見られた。
 続いて技工所見物。かなりの人数で、ビルの2つのフロアで完全な分業で各種の仕事が行われている。ポーセレンは三回の焼成で、始め薄いキャップを、二回目にやや大きめにラフな形成でボディ切端色をスパチュラで盛り上げ、小さな電気カミソリのバイブレーターでコンデンスをし、三回目の焼成の前にダイヤモンドディスクで形成してグレーズしている。一見ラフな様だが中々うまい。マイクロボンドは完全に実用化の段階に入ったようだ。大きなブリッジなどもどんどん作られている。色調などもまあまあ。ゴールドのベースに低溶を焼き付けたものと、白金ベースに高溶を焼き付けたものとがあるが、ゴールドベースの方がbetterだとの話。これまでに十数年かかったと云うからかなりの難関があるのだろう。受付附近には簡単なユニットがあり、前歯の色などを見たりしているらしい。一見ブキッチョそうだが分業だけあってかなりうまい。特にベニヤクラウンのwax upなどはかなり見事だ。
 午後Dr.Hのオフィスに行く。リッターのCentury unitが、チェアの間に準備コーナーのようなものをはさんで並んでいる。片方のユニットはブラケットを取り去って、代わり壁付のキャビネットから引き出しと同様に薄いテーブルが引き出せるようになっている。ユニットはその本来の姿でR.Moritaとは多少異なっている。どちらかと言えば消耗品などを除いては特に変わったこともない。90KVPで1/10secで撮れるX線 オフィス全体のアレンジ 小児歯科用のモーターチェア、患者たちに渡す風船、玩具、歯ブラシなどが目新しい。夜、Down Townを散歩しCHIVAS REGALなどを仕入れて帰る。

f0103459_11554869.jpg1月5日 朝、SSwhiteで若干の買い物をする。Mr.Jaksonが大変長い間色々説明してくれたが、英語はほとんどわからず単語とカンを頼るのみだった。午後はHarvardの美術館に行く。Grass Flowerなどがお勧めだったが、お土産屋のGem stoneの方が目新しかった。夕方からケープコートから出て来てくれたアーニーマサコ、Dr.Hと共に「京都」で痛飲。京都での思い出は懐かしかったが言葉の壁は厚かった。少し飲み過ぎグロッキーで帰る。成果の無い一日。

1月6日 ボストン最後の日
 フォーサイスでDr.Hと逢う。二日酔いと睡眠不足でひどく調子が悪い。
11時頃、J.M.Gavelのofficeを訪ねる。Bostonは古い街で目下近代化の途中にあるらしく、ハイウェイや高層建築があちこちに現れているがまだ赤煉瓦の3、4階建てがほとんどである。その典型的な街並みが延々と続いている一隅の彼のオフィスもその一角にある。すり減った石の階段を数段下りた所が玄関で、いかにも歴史の街ボストンらしいものだった。赤煉瓦が多く使われているのでボストンの街は北国らしい灰色の空とともに、SFOなどの淡いトーンとは対照的な暗い色調で統一されている。白髪で大変気持ちのいいDr.Gavelが丁寧に各セクションを紹介してくれる。4つのO.P.の中の一つがHyginist用で他の3つはそれぞれ彼の苦心のあとが如実に示されている。ベースはカウンタータイプの椅子だが、3つともユニットは無く、Hyginist用のものもMoter.chairに手製のトレーを取付けたもので、自製の苦心が偲ばれる。
 1台目は天井から下げられたキャッスルタイプの無影灯とCervical Trayそして椅子の左側の壁の引き戸の中にタービン、エンジン、サクション、麻酔器、キャビトロン、Soundmaskingなどがぎっしり詰め込まれている。それぞれは自在なアームで引き出して使用できるようになっていてむき出しなのはスピットンのみだ。ここで彼は数々の新しいアレンジの検討をしたと見受けられた。Midwestのタービンのコントラはメタルのチャックでバーを自由に固定出来るようになっていた。第2のO.Pは椅子に取付けられたシーメンス型のスピットン、ブラケット付きチェアのみでここはどちらかといえば補助用のものらしく考えられるが麻酔器はセットされている。これはなかばHyg用と思われた。
 第3のO.Pは第一のものの経験から新しく考えられたらしくかなり必要なものだけに整理され、椅子の右側にサクションの箱がポストの様に立ち上がっているだけだ。ここは別のDr.が使っているらしい。彼は日本で言えば代診だがDr.Gavelに賃借料を払って自分自身の患者をみているというDr.Hの説明だった。これがアメリカでの代診の大半の在り方らしい。ラボは40〜50才位のかなりの年配の人でジェレンコのリングファーネス、セラムコ用のファーネス、高周波洗浄機、スポットウエルダー、その他一通りの器械が揃い、全顎のリハビテーションのケースが顔弓などを使用して行われていた。かなり難しいケースを手がけている割にそう技術が卓越しているとは考えられなかった。ともかくDr.Gavelが色々考え少しづつ改良して行った跡がはっきり感じられ興味深かった。彼のオフィスは仕上げ前の段階で近日中に余分なホースコード類を整理して絨毯等も張り替えるとの事でその色見本なども見せて将来への抱負などを話された。僅かな時間だったが色々教えられるところ多い半日だった。

by my-pixy | 2014-05-20 16:06


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