2015年 04月 23日
Surechigai occlusion
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 これらの画像は2014年のもくあみ会で若手や中堅の方々が発表された症例です。これらのケースはまちがいなく難症例ですが、この時点では誰が担当しても完全なリカバリーはほぼ不可能です。どうしてもこの1歩か2歩手前での先を見た処置が必要だったはずなのに、高齢の患者さんに悲劇は多発しているようです。そこで昔のすれ違いのケースを見直すことになりました。

前2回でご紹介した1900年代の原稿を見直すと、現在より欠損歯数が多かったせいか前後的なすれ違いが多数でした。近年になると残存歯は当時よりも多いものの、より難しいすれ違いとして左右的なものが増加しているように感じます。20年あまりが過ぎ、疾病形態が変わってきたということでしょうか。

 前後的なすれ違いでは下顎大臼歯は欠損しても、前歯群は健全に残存していることが多く、これらが上顎義歯を回転沈下させたり、上顎前歯部顎堤をフラビーにしたりすることが問題でした。後手に回って重症例は大変ですが、下顎両側遊離端義歯や上顎シングルデンチャーをうまく利用して行けば解決策は見えてきました。
 ところが左右的なすれ違いでは、遊離端欠損が対角線的に拡大してくるためか、犬歯の残存率は2/4から3/4に高まる傾向にはあるものの、補綴設計の難しさはさらに増してくるように思われます。

 長い遊離端欠損の延長で犬歯も欠損していれば、すれ違いでなくとも補綴設計は困難ですが、それを裏返した遊離端欠損が対顎に起こったりすれば、すべてのすれ違い咬合の中でも、もっとも困難な状態になります。ただ最後の砦となる犬歯が残存して支台歯の任を果たしてくれている間は破局には至りませんが、それを通り過ぎた場合には顎堤も大きなダメージを受けているので、移植や自家歯牙移植といった改変も困難になってしまいます。

by my-pixy | 2015-04-23 17:42


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