2015年 12月 14日
来年の企画をめぐってテーマに使う用語で迷っています。ことの始まりは歯周病を背景にした欠損補綴の手法として、残存歯に固定する方法をとるか、パーシャルデンチャーを利用して可撤性にするかという問題なのですが、こんなとき2人寄れば呼び名はそれぞれ違います。 初めはその歯科医の年令か、出身校か、得意科目かなどと考えていましたが、どうやらそんな単純なことではなさそうです。問題は対象領域が補綴と歯周治療の領域にまたがっていること、それぞれの分野でのドメスティック、インターナショナルな歴史的推移なども絡んでいるらしいことが分かってきました。考え出すとこの文章を書くことさえ困難になります。 昔のことですが補綴学会の理事会で「補綴」という言葉は一般の人になじみがないから、改名すべきだという提案が持ち上がりましたが、結局、審議らしい審議も行われないままお蔵入りになりました。その後歯科大学の教室名の変遷を見ても名前を変えることの難しさはよく分かります。 個人的には書名として使わざるをえなかった「パーシャルデンチャー」という文字数の多さには生涯、悩まされました。それでも今回もあちこちできっと話題になりますから、事前に砂を吐かせておいたほうが良さそうです。2つの分野にまたがるのでそのそれぞれで2分されますが、その時々の時代背景や、有名学者や研究者、そして歯槽膿漏から歯周病への呼称の変化も無視できません。それぞれ自分の所属には美しい名称をつけたがります。「歯周補綴」などは大風呂敷の象徴でしょうが、今回演題のタイトルの原点となれば「暫間固定と永久固定」でしょう。暫間、永久に数字が入れられるかどうか、修理、改造、再製などをどう評価するかということと、目的は固定なのかには疑問が残ります。
by my-pixy
| 2015-12-14 07:44
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