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2015年 12月 17日
全顎補綴・調節性咬合器からの撤退
全顎補綴・調節性咬合器からの撤退_f0103459_11332955.jpg1960年代は下の図の6番にたどり着くことを最終目標に多くの懸案を処理することに総力を挙げていました。しかしその結果は余りに無残でした。(臨床ファイル1)術後20年はフォローしましたが1991年をもって終了にしました。最大の問題は結婚後のプラークコントロールの崩壊でしたが、その他技術的にも多くの問題が明らかになり、システム変換を迫られました。
最大の問題だった全調節性咬合器使用の意義もはっきりさせることはできませんでした。その原因はあまりに多くのことを一気に進行させることの無理で、6の方法で行き詰まって2.や3.に後退してからは無難な結果を残せるようになりました。 ただ1970年代後半からはよりニーズが高かったパーシャルデンチャーに目標が転換され、咬合再構成の必然性はその局面の中で再検討されることになりました。パントグラフを使った運動経路の再現などよりも、クラスプをテレスコープに変えたリジットなパーシャルデンチャーが中心課題になりました。咬合面がすべて可撤部分に持ってこられる可撤ブリッジの方が、トータルで見て臨床的には魅力でた。もちろんクラスプデンチャーから可撤ブリッジへの転身も未知なことばかりで、紆余曲折も絶えませんでしたが、すべてが患者さんのニーズから発してもとに戻っていくという中で、難解な咬合についての葛藤も書籍を抜け出して身近なものになったと思います。

by my-pixy | 2015-12-17 12:38


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