2015年 12月 23日
片顎3分割からオーバーデンチャーへ
f0103459_11525854.jpg1970年ペリオに苦しみながら、緩圧全盛時代に逆らってEichnerのアトラスの見よう見まねで可撤ブリッジに踏みだしました。複雑な装置には頼らず、術後の欠損額堤との対話の中で多くのことを学んで「義歯の機能と形」は一歩ずつ前進してきました。
平和な時代に恵まれて、あれほど猛威を振るっていたカリエスもペリオもいつしか収まり、方向性は少しずつ見えてきました。そのすべてはともに年を重ねてきた患者さんのお陰ですが、40才にしてブッリッジからパーシャルデンチャーへ軸足を移してきたことも、両者にとって良かった思っています。そして今もトンネルの先に見える景色を楽しみにブログを書いています。

 もちろん多くの人が無歯顎を経験するわけではありません。しかし咬合支持の低下、すれ違いなど、悪いコースに押し流されていった場合、その時々にどんな義歯の形態をイメージしつつ対応すべきかのまとめです。全体的にはブリッジに寄り添い少数歯欠損の時はコネクターや大きな床に依存せず図のような片側処理で頑張ります。しかし多数歯欠損になればコネクターの活用が避けられなくなります。

 次の曲がり角はすれ違い寸前など咬頭嵌合位が危機に瀕した時で、歯牙負担だった補綴物を義歯床依存に切り替えねばならない時です。患者さんにとっても最も辛いときで、審美性を含め固定性への執着との戦いになりますが、この段階ではもう一つのメジャーチェンジが避けられなくなります。
 支台歯、補綴歯すべての咬合面を義歯側に移すことです。支台歯部分だけを先に補綴し、残りを別途パーシャルデンチャーで補綴する2分化は通用しなくなるからです。製作時の技工的にも咬合採得などが困難ですし追加処置もむずかしくなるからです。コーノスが使われている多くのケースで、それが無難に行っているのは咬合力が弱い場合だけです。それ以外は支台歯と補綴歯の段差拡大などで再製や困難な修理を強いられています。残った残存歯はこれまで通りの内外冠で可撤部を安定させることはできます。しかし変化のつけとして生じてくる咬合の変化は、義歯の人工歯に逃がすオーバーデンチャー型への転換が必要なのです。人工歯の咬合調整量は大きくなっても義歯全体の動揺は極力抑えるべきです。それが顎堤の変化量のバロメータだからです。咬合崩壊症例などを含め、この段階では頼るべきは欠損顎堤で少数の残存歯は感覚的には役立ってもSuportの主役ではないのです。

by my-pixy | 2015-12-23 16:11


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