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2016年 02月 01日
天然歯の咬合喪失
天然歯の咬合喪失_f0103459_17275858.png 月末のもくあみ会まで一月を切ることになりました。歯周病ケースなどで残存歯が少なくなったときに、欠損を補うとともに更なる咬合の低下をいかにして守るベきかは極めて重要な問題です。大臼歯部に始まった咬合支持の減少は、次第に前方の小臼歯などにも波及し、患者さんの要望に対応することも難しくなってきます。その最後の攻防が前歯部の外観、装着感などをめぐる攻防で、長持ちをさせたい気持ちは同じでも術者側の可撤性にしたいという要望はなかなか受け入れてもらえません。
 私たちの年代になれば場数も踏んできますし、年齢的に共有するもの増えてきますから話の糸口も見つかりますが、お年寄りに説教をするような役回りはいつも大変でした。そんな時の特効薬などあるはずもありませんが、ただひたすらに問題を共有して話し合うしかないでしょう。可撤性を容認してもらえるかどうかは最もハードルが高い局面ではありますが、プロビジョナルを含めて手技としては良いトレーニングの場になるはずです。
イラストは縦糸と横糸が絡み合う臨床の難しさ、面白さを表現したつもりです。

ただ、歯科臨床で咬合を追求する試みは、Gnathology、顎関節症、下顎運動、クレンチングなど、どの事例を見ても、エンドやペリオのように成果は挙がらなかったように思えてなりません。AAPという権威ある団体がインプラントに呑み込まれていったり、ガレージで生まれたスティーブ.ジョブスの夢も、経済という怪物に変身しなければ生き残れないのが現代なのでしょうか。

by my-pixy | 2016-02-01 17:28


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