2016年 06月 16日
終戦の年の3月10日東京大空襲の記憶が蘇る3.11東日本大震災を受けて、自分に何ができるかを自問する日々が続きました。その直後、開催予定の臨床基本ゼミも中止するかどうかに迷いました。しかし、自分にできることは他にない一人の開業医の立場では、大巾定員割れでも実行するしかないと考えました。 この年、少ない受講生により持ち込まれた高齢者の咬合崩壊症例は、何故か福島の悲劇や父の歯科医院の焼け跡の光景とオーバーラップし、自分が取り組むべき仕事として印象づけられました。 その後5年、咬合崩壊症例は止まることなく続き、何時しか私の最重要テーマになりました。今年2月にももくあみ会のテーマとして同じ問題を取り上げディスカッションしましたが、状況は少し変わりつつあるように感じ始めました。 問題は東北被災地だけのものではなく、歯科医療を取り囲む社会的な変革に連動しているとしか思えなくなってきたのです。KA367は身近な方々には理解されつつあるのですが、そんなことより歯科医師の技工離れや技工士不足が急速に顕在化しているのです。その結果、咬合崩壊症例への対応の第一歩となるプロビジョナルが遅々として進まないのです。セミナーや追加補講でどんなに頑張っても勤務先での診療が進まなければプロビジョナルは進化しません。こうした事態を少しでも減らそうと、臨床基本ゼミの受け皿もくあみ会で事後抄録症例集を制作中です。ほぼ脱稿しましたので臨床歯科を語る会までにはお披露目します。
by my-pixy
| 2016-06-16 09:37
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