2016年 06月 18日
押見一先生が単著に取り組み始めたという噂はちらほらと聞こえてきました。歯科出版界もごたごたが始まってからのことだったので、成り行きが心配で時々激励とも冷やかしともつかない電話をかけたりしていました。妥協をゆるさぬ著者のこと何かことが起こらねば良いがと懸念していたからです。偉そうにいうわけではないのですが私自身書籍の数だけゴタゴタを繰り返して、自費出版に追い込まれたからです。 始めは作業が遅遅として進まない苛立ちでしたが、だんだん諦めにもにた愚痴が多くなり大丈夫かなと心配になりました。電話の回数が減り、励ましとも諦めともつかない会話になっていきました。 しかし最後に蓋を開けてみれば、著者の言い分はしっかり貫かれていて驚くばかりなのです。普通の著者ではとてもここまでは突っ張れず「まあいいかに」なったであろうことを、独特のこだわりで貫かれていました。発売直後の慰労会でも必ずしも著者のサイドばかりには立てなくなりましたが、両者とも根負けせずよくがんばったものだと感心しました。 私の時代は出版社、編集者はほぼ一体でしたが、この書籍では三者関係は年代差をふくめ三つ巴で、問題ははるかに複雑だったはずです。著者の思いを捨てれば印刷物は湯水のようにできるでしょう。しかし患者さんに寄り添った線を引かない歯科臨床をまとめるには「経済」という魔物との付き合いが不可欠です。少し意地悪ですが、押見先生が今後のどんなチームでそれを実現されるかを楽しみにしています。先日の技工セミナーのブログもそうでしたが、押見先生と私の年代差は15年です。
by my-pixy
| 2016-06-18 15:44
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