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2006年 07月 27日
下顎の前歯  4     Case 7
少しお休みしていましたが下顎前歯の話題です。これまでの3ケースで、下顎前歯部はあまり大きな力を受けることもなく、上顎前歯に較べると力の方向も有利なことが、好結果につながったと推測されます。下顎の前歯  4                           Case 7_f0103459_1910620.jpg  今回のケースも下顎前歯の補綴物の経過ですが条件は大分異なります。1925年生まれの男性で現在81才です。臼歯部咬合支持はなく、このブリッジが上顎のブリッジと対向しています。術前の状態も厳しかったのですが、ちょうどエンプレス2が使える状態になったところだったので、テストケースの了解を得て4支台6前歯のブリッジを装着しました。

 これまでのケースと較べると経過は短いのですが、6年の間に右下の4が失われ、3は鉤歯にもなっていますが問題は起こっていません。この後に処置した上顎1歯欠損のブリッジで(エンプレス2、インセラム)破折が生じたことと較べると、やはり何かが違うことは明らかです。オールセラミックスのブリッジは総数10ケース以下で、このケース以外すべて上顎の1歯欠損ですが、4ケースに破折が起きています。
下顎の前歯  4                           Case 7_f0103459_19234193.jpg幻の戦艦大和も(オールセラミックスのブリッジ)建造はしましたが進水は思いとどまりました。このとき考えた推論は「セラミックスは圧縮には強いが引っ張りには弱い。一方、下顎前歯の補綴物には圧縮が、上顎前歯には引っ張りが働く。」ということでした。

by my-pixy | 2006-07-27 19:15


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