2006年 12月 06日
維持装置と支台装置 ( RPD.6 )
f0103459_15314335.jpg ブリッジの土台になる部分が支台装置と呼ばれるのに、パーシャル・デンチャーの土台になる部分は維持装置と呼ばれることに合点がいきませんでした。どちらも失われた歯を補綴した負荷を受け止めるという目的は同じなのに、呼び名が全く違うからです。

 クラスプにはリテンション、ブレーシング、サポートの3つの機能がある、という説明はイロハのイの字です。しかしその呼び名はリテーナーで日本語では維持装置です。維持力をコントロールする方法にはたくさんの記載がありますが、支持について稀にレストの厚みが書かれているくらい、把持にいたってはI-Barのガイディングプレーン以外には見たこともありません。
 3つの機能をきちんととればテレスコープそこのけのリジッドサポートになるはずです。そこをすり抜けてコネクターや床に小細工をした結果どんな効用がもたらされたのか、レポートは皆無ですべて読者の空想に任されています。

 大事な3つの機能といいながら、実はきちんと考えられてこなかったようです。最大の力を受け止めるサポートには何よりも頑丈さが要求されます。薄紙のようなレストが付いていればよいということではないはずです。これに対して一番話題になるリテンションは、義歯が落ちてくることを防げればよいわけですから、それほどむずかしいことではありません。サポートがキログラム単位とすればリテンションは数十グラムぐらいのものでしょう。

 ここで大きな役割をするのがブレーシングです。その決め方によって義歯の着脱方向は規制されますから、きちんと設定されていれば小さなリテンションでも不自由なく使えますが、塗り絵のようなブラブラ設計では患者さんから「まだ緩い!まだ外れる!」といわれて、どんどん強めなければなりません。最近流行のマグネットにしても、ブレーシングのあるとなしでは大違いなのですが、そうした配慮はあまりされていないようです。

 パーシャル・デンチャーを安定させるための装置を、維持装置と呼ぶことが間違いのもとなので、私はクラスプもテレスコープもすべてを支台装置と呼んでいます。図は3つの機能のうちサポートが一番大切で、ブレーシングがその次、この2つがきちんととれればリテンションは最少でも大丈夫という関係を表現したものです。SBRが風林火山にかわる私の旗印です。

by my-pixy | 2006-12-06 15:32


<< 歯 vs 顎堤 ( RPD...      120年前のイラスト (... >>