2008年 05月 14日
一本のインプラント
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 竣工間近になりつつある「パーシャル・デンチャー新時代」の中のケースです。出版社は何の宣伝もしてくれませんので、代わりに著者がPRの仕事もすることにしました。
 この本の中には一本のインプラントで従来の義歯を免れたケースを幾つもあります。下顎の総義歯を回避した症例は、昨年の雑誌連載のものを含めて4つ、3ケースは私と同じ後期高齢者の方ですが、いずれも順調な経過をたどっています。
 他のケースは1〜2の残存歯がありますがこちらは孤立無援です。最後まで残っていたのは左の3番でしたが、そこには植立できず反対側になりました。3番抜歯とほとんど同時期に埋入しましたので、治癒までの期間は最短で済みました。できればもう一本欲しいなとは思いましたがまずはこれでスタート。さすがに一本はきびしく、顎堤側面にじゅく創ができています。アバットメントに一部フラットな面はあるものの正円形なインプラント上部構造の問題点です。楕円形の天然歯とはまったく違います。義歯側にメタルキャップを入れて問題は解決していますが、残存歯がある他のケースとは安定度が違います。

 経過を見ながら次の手は決めますが、ここでの教訓は、一般的なパーシャル・デンチャーではS>B>Rだった三機能の優先順位が、こうした場面ではB>R>Sに変わるということです。安定したBの獲得には、できることなら2つ以上の広い軸面が必要ですから、第2の支台歯が欲しいことは当然です。支台歯1本、内冠も省略したことはぎりぎりの設計です。それによって新たな可能性が見えてくるかも知れません。

by my-pixy | 2008-05-14 18:43


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