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2006年 06月 28日
モデリングライト Mini・wing
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ちょっとくたびれたのでケースプレはしばらくお休みです。
 HPトップページ下で覆面製品紹介を続けてきたLED照明が、ようやく登場できそうなりました。かってK-Maxを使用していた頃、明るく照らし出される歯列のフォーカシングやフレーミングには大きな魅力を感じていました。ミニリングに交代してからもできることならあの撮影状態をとりかえせないものかと考えていました。少数のLEDをミニリングにつけてテストして見ましたが、120球を越すK-Maxには及びもつきません。ミニリングの外側に首飾りのようにぐるりと一周させても期待する光量は得られませんでした。球数を増やせば使い勝手が悪くなるだけでなく、コストが上がってK-Maxの二の舞になります。
 作戦を大転換し球数は60球を維持しながら加工性をよくし、光の方向を可変にして明るさを確保できるようなウイング形式にしました。局面は一転最大の山場は越しましたが、最後はバッテリーケースです。始めは電池側から決めようとしましたがリチューム用の既製品はまったくありません。型起こしなどできる相談ではないので、スイッチが組み込まれたバッテリーケースがあり、小型で所要の性能が得られる電池をという逆の探し方をしてもらいました。ケイタイ用充電器なども参考に9V角形アルカリ電池以外にないという結論になりました。
 K-Maxの経験が役立ち最小ではないものの小型にまとまり、親亀の電源部の背中に子亀のように乗る形になりました。ウイングの角度は可変で集光位置は変えられますが、通常は写真程度の角度で良さそうです。使用感は期待通り Ref 97とのコンビで快適な環境です。拡大鏡で見落とすエラーまで見つけられます。

by my-pixy | 2006-06-28 16:41
2006年 06月 26日
前装用レジン     Case 6
f0103459_16104242.jpgf0103459_16113618.jpgメタルボンドが使えるようになってからも、臼歯部の咬合面用材料としては、できることなら金合金で統一したいと思っていました。そのために小臼歯部では、不本意ながらレジン前装冠を使うことが少なくありませんでした。しかし発展途上の製品でかずかずの苦杯をなめさせられました。
製品も小刻みに変わっていきましたから、この製品が何であったかははっきりしません。可能性の高い米国製品も会社ごと消滅してしまっています。
この患者さん1946年生まれの男性で、2つのブリッジなどを装着し25〜30年ほどのブランクのあと来院されました。単純な3ユニットのブリッジだったので当時のスライドはありません。間もなく定年だが30年以上もよく働いてくれたので、この際新調したいというありがたいお話しでした。f0103459_1612927.jpg製作したテクニッシャンが交代していてポンティックの形態は不揃いですが、ともに美しく咬耗していました。前装部の改善のために全体を撤去することは忍びないと思い、口腔内での補修を行いました。リテンションビーズのサイズや数には問題がありますが、当時はなかった接着もできるのでときどき試みています。超音波でレジンを撤去し、バーで粗面化した後サンドブラスト、プライマーを塗布した後コンポジットレジンの要領で、ボディ色、切端色を盛り上げます。f0103459_16202062.jpg
さらにステイン使用もできるのですがこれで良しとして頂きました。こうしたときの補修用には硬質レジンも進歩したものです。f0103459_16125368.jpg

by my-pixy | 2006-06-26 16:25
2006年 06月 25日
14才の中学生   Case 5
東京オリンピックが終わって間もない頃の話です。自宅の近所の中学生が「歯を折った」といってやってきました。歯髄症状はないものの修復方法には頭を抱えました。萌出不全の歯をフルクラウンにしたくありませんが、まだコンポジットレジンはありませんでした。どちらも見よう見まねだったのですが、メタルボンドのメタルでピンレッジを作り陶材を焼き付けてみました。形成はひどく荒っぽいままですし、写真電球で撮った写真はぶれていますが、スタディグループがなければそんな記録も残っていなかったでしょう。
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 その後オールセラミックスが登場するまでの30年間、犬歯、小臼歯部などでメタルが露出してしまう場合の一つのオプションとして時折応用していました。1本の歯の中で残存脂質とメタルボンドを付き合わせるようになるので、色調のマッチングは得られませんでしたが、メタルが露出するよりはましという評価でした。

 ラフな形成でしたがエナメルマージンだったことが幸いしてか、79年93年と安定した状態でこのケースについての不安材料はなくなったと思っていました。
しかしそれから13年後2、006年のX線写真はどうしても掲載する気にはなれません。予想だにしなかった深いポケットや骨欠損があちこちに拡がっていたのです。全身的には何も異常はないということでしたが、14才の姿が目に焼き付いていて、歯周病を抱えた54才に変身することをまったく考えてもいなかったのです。 
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by my-pixy | 2006-06-25 17:32
2006年 06月 24日
下顎の前歯 3    Case 4

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3番目のケースは1961年生まれの女性で下顎前歯部は先欠でした。1986年、25才になるのを待って補綴を行いましたが、この部位は両支台が健全歯でしたのでメタルボンド用チタン合金を使用し接着ブリッジにしました。



支台歯はまったく切削しませんでしたがチタン合金色を透過し、ポンティックとは大きな色調のずれも生じました。9年目からは片側脱離にも悩まされましたので、2000年にエンプレス2によるブリッジに交換する時には、滑落防止のため矢印の部分に小さなレッジだけを付与しました。
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現在であればもう少し余裕をみた形成をするでしょうが、上顎と較べ植立方向に恵まれた下顎前歯は、少さな負荷であればそれほど無理なく背負いうることが、3つの症例を通じていえそうです。ただ何れも両側を犬歯に守られてのことで、この壁が破られ側方圧を受けれようになれば局面は一変します。
また同様な欠損が上顎前歯だった場合には、ポンテイックにはメタルボンドを使い支台には金合金によるピンレッジを用います。理由は切削量と安定度でオールセラミックスは使いません。1990年代のおびただしいトラブルは生涯忘れられないからです。(文献は96年,98年。http://www.my-pixy.com/biblio.html
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by MY-PIXY | 2006-06-24 06:28
2006年 06月 23日
下顎の前歯 2    Case 3
1939年生まれの男性で初診は71年ですです。補綴物の形態は前のケースと似ていますが、中切歯の欠損は歯周病によるものですし、歯根破折などにより大臼歯部を交互に失うなど条件的には厳しいケースです。前ケースで下顎前歯のピンレッジの難しさを経験し、4歯を連結したいこのケースではホリゾンタル・ピンを考えました。
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1968年、故石原寿郎教授に紹介して頂いて、平行形成器など一連のシステムの考案者であるスエーデンのギャランソン先生の臨床を見せて頂いたことがその動機でした。一歯に1本のピンで保持するという支台歯形態は半信半疑でしたが、この先生のお人柄と業績には魅了されていました。(見学した診療室にも大きなインパクトを受けました。)

f0103459_7233599.jpg システム化された器材によって、すべての作業は嘘のように簡単でしたが、不安がなかったわけではありません。発想自体がそれほど画期的だったからです。


20年目の91年9月、すでに不要と思われたった右側切歯を切り離しました。その他、切端部のチッピングなど若干の補修は行いましたが35年目の現在も生き残っています。素晴らしい臨床への洞察力には感服するばかりです。大臼歯部の咬合接触はゼロになり小臼歯部のメタルボンドのチップなども起こっています。
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by my-pixy | 2006-06-23 07:30
2006年 06月 22日
下顎の前歯 1      Case 2
個々の歯牙にはその種類と、おかれている顎骨の部位によって独自の特異性があるようです。数年前から、パーシャル・デンチャーの支台歯になっている下顎の智歯に注目してきました。それほど大事にされてはいないのに、大きな役割を長いこと担っていることが多いからです。あちこちでお話ししてもきましたし、2004年出版の「あるスタディグループの歩み3」にも原稿をまとめましたが、他の歯にも同じような特異性があることを感じています。

今回注目しているのは、一見弱々しく見える下顎の前歯です。下顎の犬歯は統計的にも最後まで残存する歯のNo1ですが、その庇護を受けていることや上顎前歯との力関係からでしょうか、こちらも馬鹿にできない生存率です。小さい歯なので修復処置は難しいのですが、条件には恵まれているのでこちらもよく残っています。
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このケースは1937年生まれの女性で初診は1965年です。この時上顎中切歯を昨日のケースと同じデービス・クラウンで補綴しました。こちらもそのまま使われていますが、今回のテーマは開面金冠と隙が装着されていた下顎前歯で、ブリッジを撤去した後傾斜移動でスペースをあつめ、ピンレッジ支台のブリッジを装着しました。ピンの直径は0.7ミリで専用の印象用ピンなどを使用しました。まだストロボが使えず大きな写真用のランプで正面観を撮影したことを覚えています。ポンティックはレジン歯を貼り付けただけでしたので、その後何度か口腔内で補修することになりました。あまりブラッシングが上手な方ではなく、歯石に埋もれていた時期もありましたが、最近は定期的なチェックでまずまずの状態を保っています。
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by my-pixy | 2006-06-22 12:36
2006年 06月 21日
平穏で無事な45年  Case1
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 ネットでのケースプレ最初の患者さんは1926年生まれの女性です。すでに80才になられましたが、初診は1961年35才の時でした。自宅が近所で家族ぐるみのお付き合いをしていました。親しすぎて定期的なチェックなどはできませんでしたが、ご本人の丈夫な資質に恵まれて大きなトラブルもなく45年が経過しました。
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上顎前歯の補綴が主訴でしたが歯科大学を卒業して5年目のことで、記録もデンタル1枚しか残っていませんから、大学で使っていたトリオジンクパスタで根充したことぐらいしかわかりません。メタルボンドなどはありませんから、既成陶歯を削合しポストを鋳造して継続歯をセットしました。口腔内写真は73年以降のことです。
このケースで興味深いことは
1. デービスクラウンがきわめて長寿命で、下顎前歯のクラウディングが進みその圧痕が刻み込まれても問題なく機能していることです。同じような変化によってジャケットクラウンがしばしば破折に追い込まれるのと対照的です。(図3.4..)
2. 糊材の根充材が年々消失していったことも不思議な現象です。(図5.6.)
3. 溶解が問題にされるリン酸亜鉛セメントですが、このケースでは鋳造精度も高くない沢山の修復物が長期間使われています。(図7.8中の小さい白い数字は装着年です。)
4. 臼歯部の咬合も安定していてクレンチングもなさそうな平穏なケースで、これからも大きな問題は起こらないでしょう。いつもこう行くわけではありませんが、過剰防衛を戒めることにはなるでしょう。
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by my-pixy | 2006-06-21 16:53
2006年 06月 20日
トンネルの向こう
 このところ望月さんのブログhttp://pilipinas.exblog.jp/には大きな影響を受けています。こんなライバルが歯科界にもほしいと思うことしきりですが、先日そんな思いをこめて初めてのメールを差し上げたところ、2時間ほどでお返事を頂き恐縮しました。
しかしミニリングをつけて診療室内を歩き回っても、あの美しい写真などとれるはずもありません。望月語録を読み返しながらまた考えました。

   1. 凝り固まった価値観からの脱却
   2. 撮影者が被写体に対して感動する必要がある。
   3. 写真って、人に見てもらってこそ楽しめるものです。

 これまで雑誌に原稿を書いたり、それらをまとめて3冊の単著を作ったりしましたが、その時の気持ちはここに書かれていることと変わりありません。同じスタンスはいまも失ってはいませんが、もう雑誌原稿を書くつもりはありません。多分ジェネレーションギャップなのでしょう。昔のように編集者に触発されることがなくなったからです。
 雑誌原稿の保存にも苦しんできました。かっては半分のページ数を占める広告を廃棄して製本することや、保存する雑誌を絞ることで省スペースを計ってきました。しかしそれでも増え続ける割には利用価値はありませんでした。製本した雑誌のもらい手探しにも行きづまって、1〜2年でそのまま廃棄!が定着しました。特定の著者だけを保存していた時期もありましたが、自分の別刷りだけが精一杯で長くは続きませんでした。
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 2000年の臨床ファイル3以降、デジタル画像のことばかりで臨床報告は書いていません。しかし私にとってのホームグランドはここしかないことを再認識し、ブログ上での展開を考えています。これなら保管場所に困ることもなく、すでに発表済みのケースの続編も、その後の考え方の変化にもフレキシブルに対応できます。さらに都合が悪くなれば削除することだってできますから、引退の日まで続けることができるでしょう。
1日平均420人の方にアクセス頂いています。8月中には20万の大台に乗ることは間違いありません。そのX-Dayに向けてマイ・カレンダー原稿と同様、お蔵入りデータをぼつぼつアップして行きます。



by my-pixy | 2006-06-20 10:46
2006年 06月 12日
マンゴスチン
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南国のフルーツの中で一番好きなのがマンゴスチンです。タイに行く機会があればこれとトムヤムクンが一番の楽しみです。仲間のマンゴーの方は最近すっかりポピュラーになり、ハワイやフィリピン産だけでなく沖縄産、熊本産のものも高級フルーツに化けて出回るようになりました。ドライフルーツに加工されたものも入っていますが、生の感じが残っていてマンゴープリンなどよりよほどましです。
 しかし植物検疫の関係かマンゴスチンの方はさっぱり見かけません。すっかり諦めていたところ、先日、デパートの食品売り場に並んでいるではないですか。ほんの申し訳程度の数なので、ディスプレー用かと思いましたが値段が付いています。¥298は現地の20倍ぐらいかもしれませんが出会えた喜びにはかえられません。地元で籠やざるに盛り上げられたのとは違って、一個づつシールが貼られたり服を着せられたりお化粧は万全です。中身は小さいので現地では一度に10個ぐらいは食べていましたが、一回1個と決めてしまえば我慢もできます。何より継続的に輸入されることを願うばかりです。

by my-pixy | 2006-06-12 13:47
2006年 06月 10日
悲しい出来事

f0103459_17421594.jpg これから話を読んでいただく前に、できれば「もぐらのつぶやき」2001年11月と05年5月、9月のバオバブの話に目を通して下さい。
5年間でしたが、冬は屋内、夏場は野外にだんだん大きくなる植木鉢をかかえて往復を繰り返していました。去年の5月には青々と葉をつけ、姿形もだんだんバオバブらしくなってきたのに気を良くして、一人で持てる限界までサイズアップしたばかりでした。
 秋口、次々にやって来る台風対策を読み違えたことが不運の始まりでした。どちらにしても冬場は葉を落とすのですが、暴力的な温度の昇降にすっかり体力を落としてしまったようです。祈るような気分で春を待ちましたがついに新しい芽吹きは見られませんでした。枝の先に現れるはずの新緑の代わりに、幹のあちこちに白い点々が現れた時には背筋が寒くなる思いがしました。しかしこれで諦めるわけにはいきません。もう一週!もう一週!と白い点が拡がっていくのをただ茫然と見ていました。
 間違いなく来るその日に恐れおののき、とてもカメラを向けることなどできませんが、本来ならひんやりしている木の幹をゆすった時、音もなく根元から折れてしまいました。ロープを作ったりするあの木の皮もかさかさでした。

苦しんでいる時に一人置き去りにして、マダガスカルに出かけてしまった呵責からは、当分抜け出せそうもありません。

by my-pixy | 2006-06-10 15:03