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2006年 11月 30日
可撤性ブリッジ ( RPD.3 )
 私にとっても、初めてのパーシャル・デンチャーは67欠損でした。ブリッジにできない欠損をどう補綴するかという悩みは長い間続きました。45が健全歯であればまずはクラスプで対応するというスタンスは今も変わっていませんが、支台歯の歯冠修復が可能という条件に恵まれると、かえって迷うという状況は今も変わっていないかもしれません。
 ただ、45をクラウンなどで一次固定してクラスプ・デンチャーを装着したり、連結冠の遠心にアタッチメントを使うというような設計はとりませんでした。負荷が小さければ何事も起こりませんが、大きければ連結しても5にトラブルを生じ、その時の対応がむずかしくなるからです。多用してきたテレスコープでも問題を起こしたことはあります。しかし連結されていないので早期に異常を発見しやすく、トラブル後の対応も容易でした。
f0103459_17104421.jpg  同じような理由で動揺歯の連結や、大型ブリッジも使わずに済んだのは、テレスコープによる2次固定が有効に機能していたからです。

f0103459_1711988.jpg 私のパーシャル・デンチャーは、前回掲載した可撤ブリッジとバータイプの義歯、そして今回のブリッジタイプとプレートタイプの何れかに区分されます。
可撤ブリッジとブリッジタイプは片側か両側かの違いだけで同じグループです。欠損の形態や歯数によって義歯の形は変わっても、一次固定しない支台装置で組み立てられていることに変わりありません。

 補綴の講座が総義歯、パーシャル、クラウンブリッジ3つに分かれ、それぞれの間につながりがないことには大きな違和感を感じていました。一人の患者さんにクラウンブリッジとパーシャル・デンチャーが必要な場合、クラウンブリッジ装着可能なところを先に補綴し、残りをパーシャル・デンチャーで補綴するという通法には腹立たしささえ感じていました。その意思表示として、講演の機会には無歯顎の補綴に対応して「有歯顎の補綴」という演題を好んで使いました。

 現在のようにすっきり整理はされていませんでしたが、全体が同時に機能するためにはパーシャル部分の可動性を認めるわけにはいきまでんでした。1960年代のことです。当時の主流だった緩圧、被圧変異などという理論には訣別して、固定性可撤義歯を指向始めるのはこの直後のことです。

by my-pixy | 2006-11-30 17:12
2006年 11月 28日
パーシャル・デンチャーの三悪 ( RPD.2 )
f0103459_1933205.jpg 最後臼歯などをなくしてパーシャル・デンチャーが避けられなくなった患者さんに、嫌われるものは外から見えるクラスプ、舌感を妨げるコネクターと大きな義歯床です。

f0103459_8435186.jpg  支台装置を工夫したり、「外形は失われた組織の範囲内に納める」ことを心がけ、かなり成果を上げてきましたが、元ただせば1本の支台歯を無くしただけというケースは少なくなく、その代わりにインプラントを使おうとしているようです。

インプラントが使えなかった頃の私のパーシャル・デンチャーを並べてみても、可撤ブリッジ型で無難に受け入れられた義歯と、バータイプの義歯になって苦情が耐えなかったものとの違いは、遊離端に1本の支台歯があるか無いかの違いでしかありません。遊離端義歯は間接維持装置を使って両側性設計!などというおかしな定説が、たくさんのパーシャル・デンチャー嫌いの患者さんを生み出したことは間違いないのです。

 いま1本のインプラントが植立できれば、上の写真の9症例はすべて下の写真と同じ補綴方法に変えることができるのです。もちろん外科的な処置を嫌われる方もあるでしょうが、経済的負担はむしろ少なくなるでしょう。そんなことは当たり前!
どだい今頃パーシャル・デンチャーがああだこうだいってるヤツがおかしいんだという方も多いでしょう。

 でもちょっと待って下さい。たしかにオステオインテグレーションタイプになって、インプラントの安定性は大きく向上しました。しかし大きな努力はフィクスチャーの安定に向けられ、その上部構造については、これまでのクラウンブリッジの手法が流用されているだけではないでしょうか。ビス止めがすたれてメタルボンドになり、ポーセレンが破折して硬質レジンに緊急避難しても、本質は何も変わっていません。

 残念なことに多くの患者さんと歯科医は固定性にこだわるために、こうした可能性に門を閉ざしています。そのために多数のインプラントが必要になったり、上部構造のセメンテーションなど厄介な問題を背負い込むことになっているのです。
一次固定をしない!。ロングスパン欠損には可撤性ブリッジ!。を旗印にしてきた私のパーシャル・デンチャーは大きなボーナスを手にしつつあります。

by my-pixy | 2006-11-28 19:41
2006年 11月 21日
歯科医師会
f0103459_945215.jpg 久しぶりで歯科医師会の講演会に行ってきました。演者側だけではなく聴衆側にも顔見知りの多い中での会だったのですが、自己採点は最悪でした。久しぶりの出番でいろいろ考えたつもりだったのですが、「歯科臨床、現場の楽しさ」という総合タイトルと、「開業後半世紀が過ぎて」という自分のタイトルが大き過ぎたことが敗因だったようです。

 発表内容は日常的な話題にしたいと思ったのですが、発表中そのつなぎがうまくいかないことが気になって、最後まで立て直すことができませんでした。最初のジャンプの転倒が尾を引いて、全体がばたばたな演技になってしまったフィギュアのようなものです。

 最後の質問の頃になってようやくスイッチがリセットされ頭の回転も戻りましたが、反対に何十年も繰り返してきた基本概念が理解されていない中でのやりとり!という空しさを突きつけられることになりました。多様な聞き手に自分の考え方を正確に伝えることは不可能だ!と思うと、ブログなんてとんでもない受け取られ方をしているのでしょう。ようやく覚めた冬眠にまた入りたい気分です。

by my-pixy | 2006-11-21 09:53
2006年 11月 01日
11月  ライアテア 04
f0103459_17311332.jpg クルージングを終えて島内をドライブしていたとき、タヒチアンミュージックを響かせて家周りの片付けをしている人がいました。母屋は遠浅の海を埋め立てた大きなワンルームですが、長い桟橋の先にはタヒチ流宙づりの艇庫や、船具、釣り道具などの倉庫や作業小屋などが並んでいて、海を楽しむには最高のお膳立てです。ちょっと強面の人でしたが、話し出したらマイホーム自慢が止まらなくなりました。

by my-pixy | 2006-11-01 01:28