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2008年 05月 28日
インプラント・オーバーデンチャー
f0103459_7404848.jpg 最近ときどき話題にしている「下顎総義歯回避のために少数のインプラントを使用した義歯」はインプラント・オーバーデンチャーと呼ばれているようです。
 日本ではドルダーバーやスタッド・アタッチメントなどを支台に、少数残存症例に使いだしたのが始まりでした。当時は上の写真のようにクラスプのレストがとんで、義歯が沈下してしまうトラブルが多く、レストを強化するよりも義歯床で押さえ込んでしまおうという考えでした。(中段)私も何症例か試みた時期がありましたが、歯周組織のマネージメントができず短期間でテレスコープに移行しました。オーバーデンチャーという呼び名はきわめて曖昧で、故河邊清治先生はことあるごとに「大馬鹿デンチャー」と酷評されていました。

 そんなこともあってオーバーデンチャーという呼び名は、その後完全に封印してしまいました。また支台歯の周辺は床で覆わないことを絶対条件にしてきました。しかし世間一般ではマグネットとともに「大馬鹿デンチャー」は「だめもとデンチャー」と名を変えて広く使われているようです。この人たちにかかると、テレスコープを使ったわれわれのパーシャル・デンチャーも十把一絡げでオーバーデンチャーです。ということでインプラント時代になってもこの呼称は使えないのです。

by my-pixy | 2008-05-28 20:19
2008年 05月 26日
伊東忠太を知っていますか
f0103459_8351833.jpg 今日のタイトルは伊東忠太さんですが中身はオバケです。忠太さんは明治初期の「建築の巨人」ということですが、それよりも無類のオバケ好きだったようです。子供時代からオバケの画をたくさん描いていますし、晩年の代表作築地本願寺にも妖怪、怪獣がちりばめられています。それらのスケッチ集も出ているようです。
 私もオバケ、妖精、妖怪などという言葉を聞いくと心が騒ぐのです。何故?どうしてと問い詰められると困るのですが、白雪姫のこびと、ノーム、トロールなども大好きですしPixy-landという名前も今のトップページの画もその延長線です。
 日本にも鳥獣戯画、小川芋銭のカッパ、なまはげなど仲間はたくさんいます。読んでいませんがゲゲゲの鬼太郎は、水木さんの戦争体験自体が妖怪ワールドです。
 一方、歴史がないアメリカにはオバケはあまりいないようです。ブッシュやビルゲーツのオバケ話はなまぐさすぎます。オバケは人間に夢とロマンと優しさを与えてくれるのでしょう。世を挙げて文明開化の明治初期に、忠太さんは妖怪に会いたくて中国インドを3年半も旅していたようです。

by my-pixy | 2008-05-26 10:17
2008年 05月 25日
雨のセーリング
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 絶望的な天気予報に足どりは重かったのですが、2年ぶりで伊勢の海に出かけてきました。せめて半日でもという願いも空しく、週末に狙いをつけたような傘マークに、諦めきって新幹線に乗りました。
 思いの外、名古屋までは薄日も差しもしや!と思われましたが、宇治山ではポツリポツリ、ケイタイ情報では現地は雨になっていました。
 借り物のカッパで身支度を整え、せめて湾内1周でもと出航しました。始めはポツポツだった雨脚が次第に強まってきましたが、微かな風に期待をかけてセールを上げました。出航から15分ぐらい入江の出口にかかる頃、微かながら風の気配を感じました。続いて雨脚が少しづつ弱まってきたのです。微かにヒールしながら鏡のような海面を滑っていくわだつみに思わず喝采を上げてしまいました。U ターンして艇をバースにつけると同時に篠つくような雨が戻ってきました。2年ぶりのセーリングはたった20分ほどでしたが、私にとっては珠玉のような時間でした。心細い新オーナー達も少しつつ塩気が入ってきたようです。

by my-pixy | 2008-05-25 16:34
2008年 05月 23日
オーバーデンチャー
f0103459_8295378.jpg 1本のインプラントで気がつきましたが、一般にはオーバーデンチャーといわれている義歯が、臨床ファイル2の中に20ケースほどあります。オーバーデンチャーというと高齢な方が多いだけに20年を経てご健在の方は少なくなりました。5.20のケースはその中ではとび抜けて若い方でした。他にも2ケースを「パーシャル・デンチャー新時代」に使っています。先日のブログが Case 85、他はCase 96とCase 92です。
 写真は87年の臨床ファイル2のコピーと最近の状態です。大分みすぼらしくはなっていますが、右の32二本が守りの要になっています。初診時には保存が危ぶまれる歯がたくさんあり、それらを残して丈の短い内冠にしていました。しかし無理な保存をした歯はすぐに失われ、この2本だけになりました。86年、短かった内冠の丈を伸ばしてから22年、患者さんも現役は引退されましたが、この二本のために半年ごと検診に見えています。
 こうした症例を見るにつけ、多数のインプラントを使った無歯顎対応には違和感を感じます。見習うべきはこの2本の経過です。

by my-pixy | 2008-05-23 12:36
2008年 05月 20日
1本のテレスコープ
f0103459_186957.jpg 5月14日の1本のインプラントの根拠になっているケースです。1941年生の女性で当時の記録は「臨床ファイル2」の症例85として掲載しています。重度の歯周病のケースで、上顎は5から5までの短縮歯列です。

 メインテナンス抜群というわけでもなく補綴も美しくないので、その後取りあげることもありませんでしたが、いつの間にか22年が過ぎてしまいました。ポケットも10ミリ動揺もありますが安定度は抜群です。半年ごとに来院されますが下手な介入はしないようにしています。

 他にも類似した長期症例はあります。いずれも構造的には総義歯で、Sを担っているのは義歯床です。支台歯はわずかにそれを補佐して、横揺れや離脱を防止しているのです。
 その義歯床を捨て去ってチタンの植林をすることは暴挙です。オーバーデンチャーと呼ばれてきた症例群を見習って、その残存歯が果たしてきた仕事をインプラントに肩代わりしてもらうことがB>R>Sです。理想は2箇所2本ですが1本のインプラントも十分可能性はあるはずです。

by my-pixy | 2008-05-20 17:02
2008年 05月 16日
1本のインプラント・続
f0103459_1125235.jpg 5.14付けで提起した重要ポイントは、下顎の無歯顎には何本のインプラントが必要かということです。
 総義歯が上手な方なら「そんなもの要らない!」と一言で片付けられるかもしれません。でもあまり総義歯が得意でもない私には、やはりしがみつく何かがほしいのです。現に8番一歯が残っているだけで、総義歯にはない効果を上げているケースは数多く経験します。
 反面、床がない高架橋のようなインプラント・ブリッジは大嫌いでしたし、オールオンフォーとかいう工事用三脚みたいなインプラントも好きになれません。義歯床の助けも借りればそんなに大層なものは必要ないはずです。自分たちさえ安泰ならば、相手や周辺のことなどどうでもよいという傲慢な設計です。残存歯を含め2本あれば十分なことは、すでにはっきりしています。支台装置はテレスコープでもマグネットでもクラスプでもOKです。(ただ即重レジンでべたべた埋めたマグネットは例外です。)残るは一本で!の実現が夢なのです。
 あの症例はアバットメント装着後一年未満ですが、あと2〜3年を無難に経過すれば、下顎無歯顎への対応は大きく変わるでしょう。そこにはBとかSとかいう原理がまかり通る世界なのです。不幸にも、無歯顎になってしまった後期高齢者に、チタンの森や林は不要なのです。同世代の歯科医として、少ない侵襲と少ない負担で、快適な生活を送っていただくことが願いです。インプラント以前に、まず過去の歯科臨床を学ぶべきだという主張は変わりません。

by my-pixy | 2008-05-16 09:32
2008年 05月 15日
アンケート
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 内閣支持率ではありませんが、今年の基本ゼミの人たちに、歯冠修復に関連してアンケートを出したようです。コピーを送ってもらいましたので、一部をグラフにしてみました。

1. まずは年齢ですが30代前半が全体の約半数を占めています。
2. 技工室の有無では1対2でない方が多数派です。個別に調べたわけではありませんが、2代目、3代目の人が7人いますから何となく符合する感じです。つまり初代の人は技工室を作らないということです。
3. 個歯トレーを「している」2名は補綴の医局員なので、ほとんど全員が使っていないようです。ここまではそれほど驚きませんでしたが、
4. 歯肉圧排をしている人が半数ということには愕然としました。

 もちろん質問の出し方にも問題はありますし、その解釈で解答に困った方もあったと思います。しかし大勢は変わらないでしょうし、熱心でやる気のある人たちなのに!!と思うとやはりびっくりです。

by my-pixy | 2008-05-15 18:25
2008年 05月 14日
一本のインプラント
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 竣工間近になりつつある「パーシャル・デンチャー新時代」の中のケースです。出版社は何の宣伝もしてくれませんので、代わりに著者がPRの仕事もすることにしました。
 この本の中には一本のインプラントで従来の義歯を免れたケースを幾つもあります。下顎の総義歯を回避した症例は、昨年の雑誌連載のものを含めて4つ、3ケースは私と同じ後期高齢者の方ですが、いずれも順調な経過をたどっています。
 他のケースは1〜2の残存歯がありますがこちらは孤立無援です。最後まで残っていたのは左の3番でしたが、そこには植立できず反対側になりました。3番抜歯とほとんど同時期に埋入しましたので、治癒までの期間は最短で済みました。できればもう一本欲しいなとは思いましたがまずはこれでスタート。さすがに一本はきびしく、顎堤側面にじゅく創ができています。アバットメントに一部フラットな面はあるものの正円形なインプラント上部構造の問題点です。楕円形の天然歯とはまったく違います。義歯側にメタルキャップを入れて問題は解決していますが、残存歯がある他のケースとは安定度が違います。

 経過を見ながら次の手は決めますが、ここでの教訓は、一般的なパーシャル・デンチャーではS>B>Rだった三機能の優先順位が、こうした場面ではB>R>Sに変わるということです。安定したBの獲得には、できることなら2つ以上の広い軸面が必要ですから、第2の支台歯が欲しいことは当然です。支台歯1本、内冠も省略したことはぎりぎりの設計です。それによって新たな可能性が見えてくるかも知れません。

by my-pixy | 2008-05-14 18:43
2008年 05月 12日
タクシーブルース
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 日本の演歌ならば連絡船ですが、マダガスカルではタクシーブルースです。姿かたちも画になりますが、何より乗客を見ているとあきません。それぞれ一曲できそうな物語が秘められています。しかしニューオーリンズ製の曲があるわけではなく、このバス自体がタクシーブルースという名前なのです。

by my-pixy | 2008-05-12 13:50
2008年 05月 11日
持ち牛が富の象徴
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 マダガスカルでは持ち牛の数が富の象徴だといういう話はよく聞きます。5月1日に書いた子供二人で何百頭を連れて歩いていたというシーンです。脚立がなかったので後ろの方は分からないでしょうが、地平線の彼方までつながっていました。最後の牛かこの地点にくるまでどのくらいの時間がかかるのか聞いておけばよかったのですが、ガイドを介して聞いたのはこの大群が二人の家の牛かどうかだけでした。
 前回は雨に降られさんざんで、ほとんど写真もアップしてきませんでしたが、カメラネタも限られてきた昨今、無い袖を振ることにしました。

 

by my-pixy | 2008-05-11 16:23