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2010年 05月 27日
重くて高いが中身は軽い その2
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 タイトルは2008年3月7日のものです。それから2年、歯科業界紙の「より重く中身は軽く」は一段と進んでいます。一冊1キロ超は一社のみではなく業界を挙げてのトレンドです。そんななか年間購読料と大差ない700グラムの iPad が、明日、日本発売です。尊皇攘夷、閉鎖性の壁はこれからも出版社を守ってくれるでしょうか。そしてわれわれは情報整理とゴミ処理の戦いをどう進めることになるのでしょうか。

by my-pixy | 2010-05-27 07:31
2010年 05月 25日
テレスプ・デンチャー
 567欠損の後方支台歯が失われて片側遊離端欠損になるケースは少なくありません。その場合、5番は支台歯形成されていても4番は健全歯ということが大半です。きれいな小臼歯を切削して2本をテレスコープの支台にしたくないので、マイナーコネクターを使ったりしてクラスプとの組み合わせを試みていました。ケースにより様々でしたが次第にこの形態にまとまってきました。侵襲、違和感が少なく、外観的にもがまんできる範囲だからです。
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f0103459_8305825.jpg シングラムレストを併用すれば34支台の567欠損などにも対応できますから、インプラント時代になっても患者さんからは支持されています。中にはインプラントの後始末を担っている2ケースもあります。間接維持装置つき両側性設計と訣別して片側処理にこだわってきた効用です。20年を越すケースなどもでてきて症例数もまとまったのでテレスコープとクラスプ合体の名称をつけることにしました。(ハイブリッドなどではありません。)

by my-pixy | 2010-05-25 15:57
2010年 05月 21日
朝の銀座通り
最近、銀座通りに気になるお店ができました。高層のブランド店が目白押しの一角からほんの少し京橋に寄ったところに、マッチボックスのような小さなショールームです。ミニのイメージでデザインされたのでしょうが、2軒分ぐらいのビルの跡地に思い切った建物です。
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f0103459_19141740.jpg こちらむかし取り付けたカーナビですが、最近は知らない道を走ることもないので役にはたっていません。大きさも取り付け位置も悪くないのですがすが。通勤で毎日同じ地図を荒い画面で見てもうんざりです。
 カーナビの前に iPad を立てかけた見たところなかなかの納まりです。別にカーナビなど要らないのですがきれいな地図が見えるのは快感です。ちょうどオーディオにトラブルも抱えているのでその解決と合わせて・・などとも考えています。

by my-pixy | 2010-05-21 09:03
2010年 05月 15日
プレスセラミックスとジルコニア
 なぜプレスセラミックスにこだわるのだと思われている方もおありでしょう。しかし反対に私にはなぜCADCAMでジルコニアを加工しなければならないのか全く理解できません。メタルボンドの金属を使わず白っぽいフレームができるから美しい。それで強度は十分だ。これ以外に何か利点があるでしょうか。

1. どちらもワックスアップで原型を作ることは同じです。ジルコニアで作れるのはクラウンのフレームだけ、ポーセレン作業はメタルボンドと同じですです。プレスセラミックスは小さなインレーから3ユニットのブリッジまで、金属鋳造で行ってきたすべてのことが可能です。ロングスパンのブリッジはできませんが,そんなケースは極めて稀ですからメタルボンドにお任せです。小臼歯部のインレーなどはステイン法で十分ですから、ポーセレン作業も不要です。

f0103459_17294992.jpg2. 歯冠修復にはそれぞれの状態により多様なインレーが必要ですが、ジルコニアにこだわれば不要な切削をしてクラウンにするか、無理を承知でコンポジット充填に頼らなければなりません。All or NoneがCADCAMジルコニア修復の特徴です。

3. 右の画像は昨日のケースの左側です。5番には ピンホール付きのポストインレーがセットしてあり、7のテレスコープとの組み合わせで小さなパーシャル・デンチャーが使われています。患者さんにはできる時だけデンチャーを外して清掃して下さい。旅行中などは装着したままでブラッシングして頂ければ結構ですとお話ししています。
 エンプレス・シングラムレストでは8年経過したケースがありますし、清掃法については自分自身で体感中でともに確信を持っています。
これまでメタル鋳造で行ってきたことをそのままセラミックでも行える、という条件にCADCAMが追いついてこれる日は来ないでしょう。ガラス鋳造で私より痛い目にあった方はいらっしゃらないでしょう。しかしその原因はほとんどはっきりしています。プレスセラミックには「羮に懲りて膾を吹く」必要はありませんし,審美の名の下に行われる大量切削も不要です。

by my-pixy | 2010-05-15 17:15
2010年 05月 14日
白い歯18年
 プレスセラミックスで思い出すのは約20年前のキャスト・セラミックス 事件のことです。ポーセレンといえば、白金箔上にポーセレンパウダーを築盛して焼成するしかなかった時代を生きててきた人間にとっては、金属鋳造と同じ行程でインレーやクラウンが製作できるということは、それだけでも夢のようなことでした。さらにその物性が飛躍的に向上したとあっては関心を持つのは当然です。
 先行したのはダイコアでしたがオリンパスのOCCが国産の強みを生かしてシェアを広げていました。ガラス鋳造の両者に対して結晶化後のセラミックスを圧入するエンプレスも、製作方法としてはほぼ同様でした。さらに削り出しのセレック、セレーも加わってメタルボンドに対抗するオールセラミックス集団が生まれました。どれを採用するかには大いに迷いましたが、物性についてはメーカーの公表値を信頼し、適合、色調などでOCCを採用しました。多くのラボで採用されていたこともその一因でした。
 歯科材料の老舗イボクラーのエンプレスは順調な推移を示したのに対して、素人集団OCCは破折に次ぐ破折で、僅か2〜3年で歯科業界から逃亡することになったのはご承知の通りです。今の時代なら被害者同盟からこっぴどいことになったはずですが、飛んでもないデータを公表したメーカーも大学も、認可した厚生省も何のおとがめもなく、被害者は泣き寝入りに終わりました。こうした経緯はこのHP内の「白い歯」にもアップしています。

 今日の話題はこれからです。
中止を決めた1995年、それまでにOCCを使用した300名ほどの患者さんに、定期検診とは別に車のリコールと同じ様なご連絡をしました。その後2〜3年間、患者さんに頭を下げながら、割れたOCCを新たな修復物に置き換えるやり場のない仕事がが続きました。この右下の6はそんな中を生きながらえた希有なインレーで92年に装着したものです。色調も問題なくこれがOCCであることも忘れていましたが,最近の咬合面観で近心がグレーがかっていることが気になりました。
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画像を拡大してみると近心頬側のチップと頬舌に走るラインが見えました。2次カリエスにまではなっていませんでしたが、接着はしていませんでした。インパーバヂュアルとかいう松風のレジンセメントです。これまで何とかなっていたのは上々かも知れません。当時は各社の接着セメントにも痛い目に会わされました。咬合面部は一応ついていましたが、分割するとエキスカでポロポロ取れてきました。外そうとすると外れない気まぐれがレジンセメントの特性ですからまあ幸せなケースといってもよいでしょう。
次は透明感は少し犠牲にしても e.maxです。

「現時点で20年〜30年という長期経過を残しているケースは、私だけではなくすべて燐酸亜鉛セメントです。変わらない座標軸があったからいろいろのことが見えてきたのです。」

by my-pixy | 2010-05-14 07:44
2010年 05月 13日
我々はどこへ行くのか
 いつものケースプレとは違う話題を取りあげることを目指して始まった「まだ名のない会」第4回は、かつては仕事仲間、定年退職後は大変身されて仏像彫刻の日々を送られている端さんに、いやがられながらも無理無理お話しをお願いしました。下手に要約はできませんので頂いた講演原稿から抜粋させて頂きます。
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「私は7年前に、40年近くお世話になった会社をリタイアーしたのですが、会社にいるときはご他聞にもれず仕事人間で、いざ仕事を離れるということになると、気持ちが楽になるのと同時に、なんとなく、心細さのようなものを感じました。その心細さというのは、仕事に追われてあまり意識していなかったのですが、だれにでも間違いなく来る「死」ということでした。そこで、以前から興味のあった仏教を中心にした東洋的な考えを少し勉強しようと思い立ちました。

 お金はないのですが、時間だけありましたので、仏教関係の学校を覗いたり、坐禅道場に通ったり、念仏道場に通ったりもしてみました。その時知り合った何人かは得度をしたのですが、自分は俗から抜けることができずに、現在に至っております。
 仏像については、彫刻か陶芸のいずれかをやりたいと思っていたのですが、仏教に関連しているということで、なんとなく仏像の一木(いちぼく)彫りを始めました。これは彫っている間、気持ちが集中できるのと木の中から仏様が現れてくる感じが自分には合っている気がします。」
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 この後自作の達磨大師像を彫るときイメージされていたという横山大観の『屈原』という絵のお話しに入っていきました。ダルマさんは知っていても、横山大観、岡倉天心、屈原、菩提達磨と端さんのイメージについていくことはできず、意識が遠くなられた方もおありと思いますので。頂いた参考文献の一部をご紹介します。

1.『美しい日本の私』 川端 康成 講談社
2.『明恵』 白洲 正子
3.『道元の歌』 松本 章男 中公新書
4.『ディープエコロジー』 アラン・ドレングソン 昭和堂
5.『犀の角たち』 佐々木 閑 大蔵出版
6.『日本的霊性』 鈴木大拙 岩波文庫
7.『資本主義はなぜ自壊したのか』 中谷 巌 集英社
8.『新しい仏教の探求』 玉城 康四郎 大蔵出版
9.『瞑想と経験』 玉城 孝四郎 春秋社
10.『誤解された仏教』 秋月 龍民 講談社
11.『パウロ・親鸞・イエス・禅』 八木 誠一 法蔵館
12.『仏教とキリスト教』 瀧澤 克己 法蔵館
13.『キリスト教は仏教から何を学べるか 法蔵館
14.『形相と空』 河波 昌 春秋社
15.『華厳の思想』 鎌田 茂雄 講談社
16.『自然農法』 福岡 正信 春秋社
17.『豊かさとは何か』 暉峻 淑子 岩波新書

 お話しは自己の存在を、人類発祥の歴史と宇宙という時間空間のなかでとらえることから始まり、後半では環境汚染やグローバリゼーションの進展へのいくつかの苦言もあって実に重い一時間でした。これだけの原稿をまとめて頂くのに、決められたライフワークの手を止めさせてしまったことを反省し、暫くは復習の日々を過ごしたいと思います。

by my-pixy | 2010-05-13 21:05
2010年 05月 09日
白い歯ブームの2010年
 最近の白い歯ブームはとどまるところを知らず、歯科技工の雑誌などを見ているとまるでファッション誌です。メーカーの方もこの機を逃すなとばかり次々と新製品を投入してきますが、歯科医の方は患者さんへの対応で手一杯、詳しいことは技工士さん任せになっているようです。
 1990年代、硬質レジンの強度を上げるにはフィラーの混入比率を上げればばよいと考えた製品が作られました。強度をアピールするためにハイブリッド・セラミックスと呼ばせようとしました。しかしフィラーだらけのレジンには破折事故が多発し、フィラーの崩落も多く、さすがにセラミックスという呼称には無理が目立ってきて、ハイブリッド・レジンにすり替えました。これが何となく生き残り硬質レジン=ハイブリッド・レジンという使われ方が広まってしまいました。しかしハイブリットといっても所詮はコンポジットレジンに過ぎないのです。
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 これから書こうとしていることは、こんな怪しげなものとは関係ないセラミックの話しです。画像はこれまでのエンプレス2に代わるイボクラーの新製品 e.maxです。これまでの通常のエステテイックに加え,、透明度と色調の異なる4種類がラインアップされました。間もなくVitaのインゴットも登場しますから、ややひいき目ですがプレスセラミックス全盛になるでしょう。

by my-pixy | 2010-05-09 13:16
2010年 05月 07日
不思議の国
f0103459_18213963.jpgスラウェシめがねざるに熱中していることをブログに書いたところ思いもかけぬプレゼントが届きました。
先日の番組を完璧に録画されたブルーレイディスクです。われわれも苦し紛れでオンデマンドにお金を払って何とか最低の記録はとっていましたが、全然レベルが違います。ありがとうございました。

下の書籍は2005年の初版で2〜3年に頂いたものですが、今あらためて読み返しています。バリ島から東へ島ごとに宗教や生活が大きく変わっていくことが克明に描かれています。オオトカゲの住むコモド島はこの列島のまん中ですが、村人がオオトカゲと共生しているともいえるような光景を見てあらためて興味を惹かれました。
それにしてもこの一帯不思議な生物の宝庫です。下の赤丸がコモド島、上の赤丸がメガネザルの住むメナドですが、ここの海ではシイラカンスが何度も捕らえられたり、さまざまな生物に変装する変身ダコでも有名なダイビングのメッカです。遠く海を隔てたマガガスカルとスラウエシに絶滅したと思われていたシイラカンスが生きていたり、そっくりなアイアイとメガネザルがいたり、海流がその秘密をにぎっているのでしょうか。
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by my-pixy | 2010-05-07 19:18
2010年 05月 05日
連休の一日
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連休の一日、退屈している人間の慰問に箱根の山をこえてロータスがやってきました。懸念していたひどい渋滞にはまきこまれず快適なドライビングだったようです。

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一服してふと外を見ると、二羽の小鳥が格好の遊園地ができたとばかり喜んで遊んでいます。ドアーミラーとフロントグラスのエンドがお気に入りのようです。 屋根の開口部はちょうど四角になっているのですが、さすがガラスの上は伝って歩けないようでした。昼食をかねて一走り!と表に出たときにはすでにどこかに消えていました。
御礼の印は2ヶ所ほどきちんと残してありました。



天気も良し、久しぶりの屋根なしの車なので、眼下に真鶴半島を一望できる星が山公園に上ってみました。



つつじはまだ開花していませんでしたが、茶畑と新緑を縫って快適なドライブでした。
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by my-pixy | 2010-05-05 16:14
2010年 05月 01日
5月  オルビエト (イタリー)
f0103459_10301327.jpgf0103459_1737524.jpg ローマからミラノ方向に向かって電車で90分ほどのところにある小さな街です。ヨーロッパの小さな町を紹介した雑誌で見かけた一枚の写真に惹かれての日帰りツアーでしたが、この町自体ではなく有名なマリオネット工房がお目当てでした。

 この写真は丘の上にある食料品店ですが、インテリアや空を飛ぶ天使などは明らかに同じ工房の作品のようでした。下の写真が工房のある小さな路地ですが、両側に作業場や展示場所が並んでいるだけでなく、黒塗りの木馬が並べられた石畳の道を含めて独特の雰囲気を形作っていました。

 1984年のことですから日本ならどうなっているか分かりませんが、ここイタリアでは展示品ぐらいは多少変わっても、そっくりそのままの空間が残っているだろうと思います。

 同じ島国で、ともに太平洋戦争に破れた仲ですが、人々の気質は全く正反対のような気がします。

by my-pixy | 2010-05-01 10:42