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2010年 09月 27日
一本のインプラント
f0103459_8105331.jpg「パーシャル・デンチャー新時代」P106の症例です。やや先取りテーマでまとめただけに幾つかの症例で問題が起こっています。機会があればレポートしていますがこのケースは、あえて残してきた左下5が抜歯になったものの、かねがね維持力不足だったインプラントの上部構造を交換したことで、トータルでは目立った改善が見られました。
 三角形の支台歯配置にこだわって、付着歯肉もなく動揺もあった5を残してきたことは、患者さんに辛いブラッシングを強いただけだったようです。虎の子と思っていた5を失って一ヶ月ですが、同時に交換したテンポラリー用の上部構造はすばらしい効果を上げています。維持力が向上しただけでなく、義歯の動揺が止まっていることが、その表面から見て取れます。抜歯をされたが義歯は具合良くなったという患者さんの笑顔もそれを裏付けているようでした。メタル化していた外冠は床用レジンに埋め込まれましたが、2006年当時仮義歯で急増したようなスクラッチは見られません。

 このケースから分かったことはフィクスチャーへの負荷と支台装置のテーパー、材質などの問題です。これまでの経過から考えれば、フィクスチャーへの負荷に気を使いすぎた支台形態ということになります。臼歯部の単独植立などに多発しているインプラント体の破折事故を恐れていたが、これら無歯顎回避目的の使用では、対顎の条件も含めそれほど大きな負荷にはならず。二本の下顎前歯との二人三脚で良好な経過は間違いない。

by my-pixy | 2010-09-27 11:15
2010年 09月 26日
小さな援軍
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全長20ミリほどの小さなカメレオンが、かなり挺出した犬歯にまき付いています。そうなんです。この作者が言っているように「口腔内になじみ、患者に使い古していただけるような補綴物」をカメレオンデンチャーは目指しているのです。その応援歌ということでしょうか昨年のシファカ、バオバブシリーズに続いてのマスコットを送って頂きました。全長20ミリほどのミニミニサイズですからルーペなしでは観察もできません。せめて感謝の印に、反転した自画像を根面にペタリ。ありがとうございました。

by my-pixy | 2010-09-26 16:43
2010年 09月 20日
故郷の川に戻って
f0103459_15375774.jpg ことしの基本ゼミでは海に下った何匹かの稚魚がふるさとの川に遡上してきました。なかでも今回は自家歯牙移植の大家、下地先生のサポートに、2004年の受講生だった若手が登場しました。

 同じ場所で同じ先生の話をうかがって6年後、著書をテキストに症例を重ね、ほんのお手伝いでも同じ舞台に立つことには、かなりのプレッシャーがあったと思います。それを意識して冒頭に聴衆の笑いをとるサッカーになぞらえた、ケースプレのコンテンツから90分の話しが始まりました。外れたら大変な大ばくちですが、この仕掛けは実に見事に爆笑の輪を拡げました。
 十数ケースが需要側の条件によって順次進められて行きましたが、本来あるべき資料が欠けているスペースにはご丁寧にタグが入れてありました。CT画像導入後のケースは、手技が手慣れてきたこともあって短期ながら見事な術後経過が提示されました。最期は春スキーの月山を背景に、若手へのアドバイスなどを散りばめてのフィナーレでしたが、質問には身振り手振りを加えて開放感を味わっているようでした。
 こうした時間に居合わせることは自分の発表以上のうれしいことです。受講生側にとっても、大家の系統的なお話しとともに、身近な先輩の話には勇気づけられるものが多かったはずです。その中の一人でもまたこうして帰ってきてくれたらば、小さな草の根運動でも、大学や歯科医師会ではできない歯科医生命のリンクが成り立つことまちがいありません。
 興南高校応援で甲子園までお出かけだった下地先生にもしばしの息抜きになったでしょうか。 

by my-pixy | 2010-09-20 15:36
2010年 09月 18日
蒔いた種
 夏休みは暑さにもやられていましたが、ほとんどの会がお休みでいささかもてあまし気味でもありました。9月の第2週に入るや遅くなっていたサマーセミナー、火曜会、基本ゼミと一週間に3回、まだこの後にも語る会実行委員会、2回目の火曜会と続きます。全部に出席するわけではありませんが、そのほとんどがケースプレ、ケースプレです。嫌いではありませんがわれながらよく飽きもしないで!としかいいようがありません。本人は良いのですがお付き合いをする若手の方は大変です。すべてが火曜会がらみでこのほかに「なんかよう会」などもあるので、地方から来る人は「休診にして東京に泊まっていようか」などということになります。
 
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 トータルでは年間20回ぐらいなのですが1月8月がお休みなので月2回強、それが片寄ったりすると大騒ぎになるわけです。悪の張本人は最近は増やしていないつもりなのですが、これまで蒔いた種が育ってしまったのが問題です。始めるより止めるのはむずかしいのです。

by my-pixy | 2010-09-18 17:00
2010年 09月 15日
トップダウン・トリートメント
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 私の症例ではありませんが1985年に、卒後2年目の勤務医時代に行ったケースとして発表されたうちの一枚です。上顎8歯支台のテレスコープ義歯で、私のネーミングではブリッジタイプのパーシャル・デンチャーです。患者さんは98年に他界されたそうですが、13年間は大きなトラブルもなく経過したそうです。卒後2年目の術者ということも今では信じられないことですが、勤務先の技工士さんが、義歯を外した状態でも均等接触をさせようと内冠の形態を製作されたという話しはさらに大きな驚きでした。院長もテクニッシャンも頑張り屋さんですから、さもありなんというところですが、今どき最先端のように叫ばれるトップダウン・トリートメントがきちんと実行されています。
 大学6年間、国家試験後1年間の研修医生活をついやしても、こうした素材が送り出されれば、われわれとしても大いにやりがいがあるのですが、現状は何かが狂っているとしか思えません。

by my-pixy | 2010-09-15 10:51
2010年 09月 12日
30台の電子書籍論
f0103459_17291172.jpg 今回は2名をのぞいて30台。ようやくかっての「30代ミーティング」の名を取り戻しました。企画案は出したもののその後のさっぱり音沙汰なく、どうなっているのだろうといらついていましたが、この間メンバー同志はかなり緊密な連絡をとっていたようで、私一人が蚊帳の外だったようです。そんなことを忘れさせてくれる楽しい集まりでした。中でも最近私のメル友から急浮上した31歳の新星が最終日を飾ってくれました。

f0103459_8225092.jpg 10名全員が違った方法でスキャンニング,PDF化しiPadを持っての参加でした。この発表では提示する画像データはパソコンで、手にしたiPadで原稿を読んむというスタイルで全くスキのないものでした。ディスカッションでは手書きのアプリに切り替えてめもするなど脱帽ものでした。次の機会にはあらたな手法も取り入れてくるでしょうから、周囲も認める若手有望株に急浮上です。

 一番下の画像は全員が協力した、雑誌PDF化のテストた結果です。全員もくあみ会メンバーだけあって、チームワークばっちりで進んだ様子が読み取れます。話題はパソコンとiPadの連携というところに及びましたが、一人ではできない集団思考の良さを感じました。

 アップしたら早速反論がきました「私の本分は臨床にあると当然思っています『色物』枠ではなく、臨床の話をさせるためにあいつを呼ぶんだといわれるように・・・」しびれるコメントです。 分かった!分かった!でも臨床ってそう甘くはないよと言おうとすると、「色物も(の方が)得意ですので」と続きます。かっこも微妙です。

by my-pixy | 2010-09-12 16:27
2010年 09月 11日
サマーセミナー集合写真
f0103459_7494570.jpg 例年より遅れてコブタもいないサマーセミナーでした。猛暑のせいで枯れてしまったかと心配していたアメリカンデイゴは3ヶ月も遅れて赤い花をつけました。
 終わって記念写真ということになりましたが、いつも小さなカメラに向かってがVサインをする面々なので一ひねりした記念写真です。良くできているけれど、ひらめきは感じないというケースプレに、せめて記念写真ぐらいはと隣の家の鏡像を利用しました。三脚のカメラの写真はどこかに出てくるかとも思いましたが、少々不親切なので追加しました。

by my-pixy | 2010-09-11 16:10
2010年 09月 06日
バイオミミクリー 2
f0103459_14363334.jpgテレビ番組一本で急に自然保護主義者に豹変したのか?。マダガスカルに行けなかったからじゃないか?
私もそんなことをぼんやり考えていましたが、どうも根はもう少し深そうです。4年ほど前に同じようなことがありました。始めは壮大な星野道夫さんの動物写真に魅了されたのですが、ワタリガラスにさそわれてインデアンの生活や歴史に踏みいることになりました。(土竜のトンネル.2006.10.4. 2006.10.13)しかしその前に1979年シアトルの記憶がなければ、星野道夫さんももう少し遠いお話しだったでしょう。

f0103459_15573493.jpg 今回の出来事にはもう一つの筋書きもあります。シアトル行きの前年から写真のような新シリーズに関わり、その第一冊として歯科臨床の総合診断という企画をたてました。
 1本の歯の修復を行う場合でもエンド、ペリオ、Cr-Brなど各科に跨ることは少なくありません。それぞれの講座には診査や診断があり治療方針も検討されます。しかしそれらを統合して考えることはありません。もし全顎的な処置とでもなれば境界、重複,相反などは多岐にわたり統一見解など望むべくもありません。今すぐにではないにしても将来的には一本化に向けて歩むべきではないかという問いかけに対する答は総論賛成、各論反対の典型で、30年経った今も何の進展もありませんでした。
 
 人類の未来に向けてという壮大なビジョンはあるにせよ、それぞれの立場で利害相反、交わることなど決してないことは分かっていながら、自然の営みの中からさまざまなレベルで何かを学び,一歩づつでもこれまでの誤りを戻していこうという勇気に感動しました。口腔内環境などという閉鎖的でその終末も決められているものぐらい何とかできないの!といわれているような気がしました。

by my-pixy | 2010-09-06 14:36
2010年 09月 04日
バイオミミクリー
f0103459_11112875.jpg 昨夜見たテレビ番組からですが、自然と生体を真似るという意味の造語のようです。少なくとも永田町のドタバタ劇よりははるかに面白い長時間番組でした。
 普段から自然や動物などの観察記録ものは第一優先なのですが、ジンベー鮫に発信機をつけて広いインド洋追い回したりして何になるのかという疑問もないではありませんでした。この番組で農業や牧畜業などから始まった人類の自然利用が、形を真似たり、機能を真似たりする段階を超え、自然の生態系全体を真似るところにきているという指摘には大きなインパクトを受けました。
そうした流れにつれ,概念を端的に表現するネーミングとして「バイオミミクリー」が生まれたようです。写真は提唱者でもありこの番組の主役でもあったジャニンベニュスの著書です。最近のトレンドにもなりつつある自然保護の具体的な在り方として大きなインパクトを受けました。

最近、私がよく口にする一本のインプラント、テレスプデンチャー、カメレオンデンチャー、歯根膜の魅力などという考え方は、すべてバイオミミクリーと同じ発想であることを痛感しています。 またこの著者がしばしば口にするoptimumという言葉も、 かって、われわれが大切にしてきたものです。リンクにあげた彼女のプレゼンも素晴らしいものです.たった15分で地球環境問題をあれほど明快に話されたものを聞いたことはありません。遅ればせながら私も目標にしていきたいと思っています。近々ご一緒する方がたは、しばしば引き合いに出されるのでご留意下さい。
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/janine_benyus_biomimicry_in_action.html

by my-pixy | 2010-09-04 12:06
2010年 09月 03日
頭の痛い出来事 3.
f0103459_1325621.jpg なじみもなく姿形も好きにはなれないのですが、泣く泣くの新旧交代となりました。剥がせるシールなどは取り外してもプロポーションの安っぽさはいかんともなりません。出来上がってくる修復物に期待するだけです。
 それでも昔に較べれば価格もそれなりになったからでしょう毎月20台平均で出荷していて、納入先は技工所より歯科医院の方が多いとか、競合するのは同じインゴットを使うMini CADCAMのセレックだなど興味深い話しも聞くことができました。コンポジット一色かと思っていた充填、歯冠修復分野に年間200台以上も増えているとは心強いことです。ただあまり技工室は見かけない歯科医院で誰がどこで作業するのか不思議でした。それに対する答は最近急増している女性技工士が作業をしているということだけでした。
 それはともかく、プレス機交替でやや出遅れたeMax本格応用の準備は整いました。性能向上を生かした取り組みをリスタートします。前歯部は解決済みですから小臼歯部が主戦場です。公称180から400メガパスカルに上ったという曲げ強度は、ポーセレンを盛らねばならないジルコニアに対して大きなアドバンテージですが、どんなセラミックスにもつきものの経年的低下は忘れてはなりません。

by my-pixy | 2010-09-03 13:07