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2011年 05月 20日
口腔内撮影用設定
今年も臨床基本ゼミで口腔内写真撮影のお話しをしました。回を重ねてずいぶんスリムにしたつもりでしたが、一ヶ月後の質問から察するところ、まだ話す側の論理と聞く側の論理との間には越えられない壁があるようでした。そこでもう一度、相手の立場に立って理屈なしのチェックポイントだけを考えました。
f0103459_9371746.jpgまずこれまでの記憶はすべてキャンセルし初期設定に戻します。

1. 撮影はすべてマニュアルで行いますから、ダイアルはMだけを使います。X線フィルムのデユープなどにはAを使いますを使いますが、終わったらすぐMに戻します。

2. 上面表示パネルを見ながらシャッター速度は1/250、絞りはF22にして下さい。この2つもいつも変更はしません。(ただ古い機種でシャッター速度を1/160にしないと不具合が起こるものもありますからご注意ください)

3. ISOが250にならないものは200でも構いません(ほとんどの初期設定は200です)

4. 最後に背面のメニューから画質をRAW+JPGにして下さい。(表示パネルでも確認できます。

これですべての口腔内撮影(1/2倍正面観、咬合面観)はファインダーでピントを合わせるだけでOKです。側面観などもそのまま撮って不要部分はパソコン上でカットします。

 どうしても等倍まで拡大しなと気がすまない人は、カメラはいじらずミニリング電源部の発光量を1/4にしますが、戻し忘れるとその後の画像が全部が暗くなりますからおすすめしません。忙しいチェアサイドの仕事は単純に済ませることがベストです。

多少の露出の過不足はRAWで調整できますがピンボケは直せません。

by my-pixy | 2011-05-20 09:34
2011年 05月 19日
パチャママ
f0103459_12403323.jpg  叔母で切り絵、絵本作家でもあった井江春代さんが亡くなりました。学生時代から何かと目をかけて頂いて、診療室にも何枚かの絵を頂いています。ご自宅でお別れの展覧会のお知らせを頂きましたが、今頃、上の絵のように大空を飛んでいらっしゃるのではないかと思っています。
 2枚目の画像はちょうど10年前になりますが、診療室のあるビルの会議室で作品展と大好きなペルーの工芸品の制作実演などをしていただいた時のスナップ、下はたくさんある絵本のごく一部です。

 パチャママは南米の大地の女神です。お知らせのおはがきにもADIOS!というメッセージといっしょにお下げ髪のパチャママ風の春代さんが描かれていました。50代になられてから南米に魅せられ70代になっても何度も通われていたことを思い出します。
 井江さんのキャラクターたち、診療室の中にも住み着いていますし、ときどきは発表画像の中にも登場してもらうので、お目にかかることもあると思います。私にとってはその度に思い出に浸るひとときです。

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by my-pixy | 2011-05-19 09:46
2011年 05月 18日
無茶なe.Max
f0103459_19162751.jpg  まだ半年で、大きなことはいえませんが、私にとっては楽しみな6ヶ月で再会の喜びは一入でした。
 この小さなレストがとんでしまってもテクニシャンにもイボクラーにも文句は言えません。バカなことをと言われるだけです。しかし私にとってはそれこそが生き甲斐なのです。
レストの目的はインプラント上部構造の回転防止です。しかしそれが設けられたのは、短縮歯列最後方歯のクラウンです。レジン前装冠にすれば安全に決まっています。チタンの上に透過性の高いe.Maxを乗せたところで、4番のアンレーのように美しくならないことも分かっています。e.Maxのアンレー上のレスト、アバットメント上のオールセラミックスのクラウン、呆れかえる選択です。

 私のねらいはもろくも崩れた20年前のOCCのリベンジです。オールセラミックスによる臼歯部修復のトライアルはすでに始まっていて、これまでのところトラブルは出ていません。その極めつけをこの過酷な条件でテストしたかったのです。全顎的にも過酷なケースですから、このレストが無くなったとしてもめげずに再製するでしょう。その方法も考えながらの再会でしたから気を良くしているのです。コントロールとして反体側の小臼歯にもオールセラミックスを使っています。

by my-pixy | 2011-05-18 19:19
2011年 05月 17日
ニコン用マクロレンズ
f0103459_1172849.jpg 2011.10月にもレポートした3つのマクロレンズの詳報です。オープンプライスの価格も落ち着いてきて、シグマ70が40000円、ニコン85が44000円、タムロン90が45000円と横並び状態になりました。
 重量はニコンが355gで最軽量、タムロンが400gで中間、シグマが525gでヘビー級です。カメラボディでも100グラムは問題になる重量ですから、ニコンとシグマの差は無視できません。キット販売のズームレンズなどのように、レンズマウントばかりでなく、光学レンズにもプラスティックなどということもありますから油断はできませんが、そこはメーカーの良心を信ずるしかないでしょう。
 純正品で価格は同じで小型軽量とあっては勝負ありですが、気に入らないのは黄色の↑の先にある距離倍率の目盛りの透明プラスティックカバーと、最短距離にも∞にもストップがないヘリコイドです。AFには不用という設計なのでしょうが好きになれません。しかし郷にいれば郷に従えで最近はAF撮影にもトライしています。結論的には今どれかを選ぶならやはりこのニコン85ミリでしょう。これにD3100とミニリングで12万3000円でフルセット完成です。(総重量1200g以下)

by my-pixy | 2011-05-17 11:07
2011年 05月 16日
野田弘志さん
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 日曜美術館で野田弘志さんの絵画とその細密さにかける思いを拝見しました。二次元の絵画で、そのものがもつ本来の姿や3次元的フォルムまで描写されるという描き方は迫真の怖さを感じました。

f0103459_8372136.jpg 野田弘志さんは著書『リアリズム絵画入門』のなかで、「写実絵画とは物がそこに在る(存在する)ということを描くことを通してしっかり確かめようとすること。物が存在するということのすべてを二次元の世界に描き切ろうという、一種無謀ともみえる絵画創造のあり方。物がそこに在るということを見える通りに、触れる通りに、聞こえる通りに、匂う通りに、味のする通りに描ききろうとする試み」と述べておられます。

 f0103459_8301751.jpg個展ではありませんが、千葉まで行けば原画を見られるのですが、まずは印刷物でもと、見当をつけて神保町まででかけました。ほとんど在庫はありませんでしたが、70年代の一冊が入手できました。やませみの絵は数年前の展覧会のポスターです。
 それにしてもよく似た方が身近にいらっしゃるので・・・

by my-pixy | 2011-05-16 15:40
2011年 05月 15日
無茶な遊離端義歯 3
f0103459_1835357.jpg 1973年の765ブリッジ時代からのケースだけに面白い経過がありますが、ここでは片側遊離端欠損になった2005年からにとどめます。5番のクラウンは80年頃に装着した3本ブリッジの前方支台を切断して鉤歯にしました。最初は人工歯も小さめに、遊離端部の負荷を小さくしようと人工歯も前後逆に使ったりしていました。装着後間もなく少しでも遊離端部を延長しようとしましたが、あっさり破折してきてかなりの負荷がかかっていることが分かりました。
 5月2日づけの中間欠損などにも発生したレジン床部の見るにつけ、もう少し強度のある常温重合レジンが欲しいものです。このブログのケースプレだけでもしばしば悩まされるメタルとレジンのスペースの取り会いです。テレスコープ義歯でもいやというほど経験してきたことで、こんな小さな義歯でもクラスプでも鉤脚だけはなく、金属咬合面との2重構造にしました。
 しかし術後間もないこうしたトラブルでさまざまなことが分かりますし、過剰防衛ではない必要な対策もとることができます。リコールごとに義歯床の適合は見ていますが、今回もれべースなどは不用でした。

 ときどき試みる無茶な挑戦で得られるものは多く、このケース唯一の遊離端欠損にインプラントを使う気持ちは患者さんにも私にもまったくありません。

by my-pixy | 2011-05-15 18:27
2011年 05月 12日
今度はオートフォーカスだ
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 2005年の展望連載以来、RAWだRAWだと言い続けてきましたが、一体、何パーセントぐらいの人がRAWに切り替えていらっしゃるでしょうか。多分、火曜会でも半分には達していないだろうと思います。それでもこの話には食指を動かされることでしょう。視力低下を嘆く中高年には、少なくともこういうショットには間違いなく有効なはずです。私も基本ゼミがなければこんな写真は撮らなくなって久しいのですが,お陰様で個歯トレーの話などもできそうです。

by my-pixy | 2011-05-12 15:38
2011年 05月 11日
D7000との悲劇その後
f0103459_12585095.jpg もうそろそろ時効になる頃ですが、3.26 いわき市でちょっとした事件がありました。瓦礫の中に入り込んだ年寄りが足を取られて大転倒、ズームレンズは即廃品に、レンズがめり込んだカメラボディも入院になりました。人間の方も顔に膝に損傷を受けましたが1ヶ月半でほぼ回復しました。出かける前に迷った3100か7000かが完全に裏目に出たわけです。はしめは帽子とマスクで隠していましたが、だんだん目の下回りが発赤腫脹してきた時はあわてました。その時何人かの素人どもがそれは血が下りてきたのだとか解説され、形成外科でも同じ事をいわれびっくりしました。口の中とは違うようです。

 話しは変わりますますが、昨年秋から使い始めたニコンのマクロ85ミリ、大きさ重さなどは文句ないのですが、レンズ先端部の繰り出しがなく目盛りは電源部とコードの影になり、樹脂のカバーもついてるので視認は困難です。タムロンなどのように鏡胴にテープを貼ることもできません。最短距離や∞になってもヘリコイドはストップしませんからすこぶる不便です。それでも何とかなっているのは距離目盛り(倍率)を動かすことがないからです。そこで先週からそのままAFにして使い始めました。
 慣れてくるとカメラを前後させてピントを確認するよりはやはり楽です。ときどき等倍で使うようなときだけストロボの光量を1/2か1/4に落とすだけでAEはマニュアルです。露出は多少ばらついてもRAWならばまったく問題になりません。それにしてもカメラの話し随分書かなくなったものと驚きました。

by my-pixy | 2011-05-11 13:10
2011年 05月 09日
何のパンフレット
f0103459_735533.jpg 技工室の机に見慣れぬパンフレットを見つけました。また講演会のチラシかと思いましたが、それにしてはお金のかかった印刷物です。カタカナやローマ字のない教科書体の漢字には不思議な感じがしますし、数字は日付けではなさそうです。裏表紙には見慣れた顔が二人。歯科技工の何からしいことは分かりましたが、製作は医歯薬出版とか書かれていますが歯科技工の別冊というわけでもなさそうです。
 私にとっては練るという言葉から最初に思い浮かぶのは燐酸亜鉛セメントです。セメントの物性を確保しながら、被膜厚さや,溶解度を最少にするために、セメントの粉液比を厳密に守ることには重大な問題でした。計量から練和法、冷却などを中心にかなり細かなシステムを作り上げていました。1955年に始まって燐酸亜鉛セメントの時代が終わる1996年頃まで続いたわけですから、実に長い期間でした1990年代にはにはセメント練板を冷却するクールトロンという製品も市販されていました。

 この小冊子を読むと口腔内の印象から石膏注入、模型製作,トリミングのなどの注意点がきめ細かく述べられています。われわれにとっても耳の痛い話しも少なくありません。ただ臨床にはこの手前にもこの後にも重要課題がありますし、鋳造前後の諸問題や修正作業も無視できないでしょう。こうして見ると技工作業のもつもろもろが如何に大変な作業かを再確認します。それらを全うしようとすれば,胃が痛くなるような集中と深夜作業が待ち受けています。また改善の気持ちはあっても、その多くのを放棄せざるを得ない歯科医院の悩みも分かってほしいものです。そんな思いを揺すぶる一石でした。

by my-pixy | 2011-05-09 10:43
2011年 05月 08日
無茶な遊離端義歯 2
f0103459_7522979.jpg 貴方の話はバイアスがかかっているからデータにならないと良く言われます。おっしゃる通り私が書いたり喋ったりしていることは、昭和も1桁の約200人の患者さんをベースにしたものですから、条件が変わってしまえば何の役にも立たないかもしれません。

 反対に私がよく口にするセリフは「平均値という患者さんはいない」ということです。すべての患者さんには個性があり、相手をする歯科医自体も千差万別です。細胞レベルならEBM は成り立ちますが、ひとに細胞レベルの斉一性を期待することはできません。


 前置きが長くなりましたが、上顎左側の長い遊離端欠損に、1.の両側性義歯を装着しましたがなかなか受け入れられず、犬歯頼みの2.3.の片側義歯に変更しました。2は無理がかかればすぐ破折するだろうというパイロットです。どうやら大丈夫らしいと3.に格上げしました。大過はなかったのですが、犬歯に何かが起こったらというか怖さに負けて、2006〜2007年レジンのパラタルバーを前方に移動してトライし、現在はそれをメタルに変えた下の写真になっています。本来ならもう少し前半を延ばしたかったのですが臨床的安全度に負け、自分だけでもはっきりした結論はでませんでした。

by my-pixy | 2011-05-08 07:54