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2011年 11月 23日
接着ブリッジ
f0103459_16372124.jpg スーパーボンドも使いやすくなったり、セラミックスも新しくなったりさまざまな器材は進歩していくのに、技工を知らないばかりに、選択肢の少ない修復しかできないことも惨めです。下顎前歯ならばコントラにフィッシャーバーをつけてピンホールを1本形成し、そのバーを立てておいて平行にもう1本の支台も形成するだけですから誰にでもできます。補綴物だって技工士さんに頼らないでも作れるはずです。eMaxなら同じ形成でオールセラミックスも可能なのに、どうしてやってみようともしないのか私には分かりません。こんな狭いスペースにインプラントなんて正気の沙汰ではありませんが、それがまた多いのです。
 このケースは最近ですが、2006年6月頃に古いケースもアップしています。そのセットは1967年ですが今も健在です。タグは歯冠修復です。

by my-pixy | 2011-11-23 16:42
2011年 11月 22日
2つのインレーブッリッジ・下顎
f0103459_8572583.jpg 上顎のトラブルと前後して、同じ患者さんの下顎のインレーブリッジに咬合痛を訴えられました。装着は上顎と同じ1982年です。咬合調整などで様子を見ていましたがはかばかしくなく、類似症例を経験していたので後方支台のインレーを切断撤去しました。

 悪い予感が的中し歯髄は壊死、遠心壁に破折線らしきはヘヤーラインを発見しました。破折部の移動を警戒し、エンドもそこそこに根管壁まで可能な範囲をスーパーボンドで埋めまくりました。症状は劇的に改善しました。
 咬合はほとんどフリーにしましたが、インレーブリッジには30才の誕生日を迎えさせたかったので、近心のボックス付近は残して小さなインレーを仮着して半年、症状はありません。

 「かも知れない」「リスクがある」などとインプラントを埋め込んでいたらば、この患者さんは3本のiインプラントもちになっていたはずです。かつては困難だった状況に追い込まれても、インプラントという手段で立て直すことことも可能になったのですから、予防的アプローチとしてインプラントを使うことはオーバートリートメントだと私は考えます。
 下顎無歯顎に使うような場合はともかく、将来が長い患者さんの健全歯列の中に、十分な実績のないインプラントを持ち込むには少なくとも10〜20年の実績が必用です。患者さんの要望があっても健全歯を削らないですむ、メタルを露出させないという蔭に潜んでいるリスクを、きちんと説明すべきです。
 そして不幸にして歯を削っても、きちんと処置すれば安定した予後が確立していることを、歯科医自身もさいにんしきすべきです。今回の全員の反応にごく一部の保守的な会員は危機感を強めています。

 表向きはは移植の素晴らしさを口にしながら、ドナーが無ければインプラントというコースが、日常臨床では定着しているのです。置換に傾いた臨床体制のなかでは、ブリッジやパーシャル・デンチャーのケースは生まれません。年間1症例のケースプレでは見えてこない日常臨床に踏み込めるかが来年からの課題です。

by my-pixy | 2011-11-22 15:25
2011年 11月 22日
2つのインレーブッリッジ・上顎
 古い患者さんからもスタッフからも昔に比べて優しくなった、丸くなっといわれることが多くなりました。何度もいわれると本人もだんだんその気になります。ところが咬合崩壊プロブレムリストのサンプルに自分のデータを入力し「性格はきわめて温厚」と入れておいたところ同業者からブーイングが起こりました。たしかに通常は温厚そのものなのですか、誰かが不用意にボタンを押すと、タイムマシンが作動するらしいのです。昨日もそんなことがありました。
 話題はシングルスタンドのインプラントです。患者さんの希望で!患者さんの希望で!と増えていくインプラントには、だんだん危険水位に近づいて行くのは分かっていました。司会の裁量で「あなたならどうしますか?」とマイクが全員にまわりだしても、健全歯だから削りたくないのセリフが繰り返されます。この人達の削るというのはメタルボンドです。若い患者さんなら「これだけきれいな天然歯では」「接着ブリッジで失敗したから」70代の患者さんでは「隣の無髄歯が破折するかもしれないから」インプラントだと、何の努力も工夫もありません。これでは聖人君子だってキレるのが当たり前です。
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 とうとう歯を削ったらそんなに悲劇的な結果ばかりなのか?、自分でやったインレーやクラウンの予後はそんなに悪いのか?と噛みつかざるをえなくなります。シーンと白けて・・・。
 いつもになく遅くまで2次会で頑張っても不満はおさまりません。ということでまた籠もって最近の臨床の一端を書きだしました。
 患者さんは当時の勤務医が1982年に行ったインレーブリッジが入ったです。皆さんがおっしゃるようにクラウンだった隣在歯が破折しました。彼らにすれば絶好の適応症でしょう。後ろのブリッジに手出しはできないでしょうし、3も削れないからとこんな時に限って4犬歯の重要性などと耳学問を持ち出します。しかしこのブリッジはノントラブルで29年経過し、破折したのは隣の歯です。下手な手出しをしなければ今後も安泰でしょう。切削は最少でセメントは今は振り向きもされない燐酸亜鉛セメントです。この経過を見ても健全歯を削ることは罪悪なのですか、咬合面材料も決まらず隣在歯とのコンタクトや対合歯への不安を残すインプラントなのでしょうか。
 患者さんはエネルギー関係のバリバリのビジネスマン64才。私の担当になったのは今回が初めてですが、まじめで温厚そのものの方で一度で意気投合しました。診療の度に福島原発の知られざるさまざまなお話しを伺いました。仮義歯にもあまり不満は言われませんでしたがちょっとお気の毒に思い次の手を考えました。次の10年を予測し、インレーブリッジに問題が起こっても困らないことを視野に入れ、インレー上にレスト置いた可動性のあるブリッジで支台は1本のピンレッジです。切削は舌面少々とスライスカット、ピンホールだけです。

by my-pixy | 2011-11-22 11:07
2011年 11月 18日
緑川洋一さん
f0103459_13185867.jpgf0103459_1454526.jpg すでに故人になられて10年になりますが、私の学生時代、アサヒカメラなどの誌面を飾っていらした緑川洋一さんの紹介文がでていました。岡山在住で歯科医院を開業その合間を縫っての創作活動でしたが、鳥取の植田正治さんなどとも親交があったようです。
 晩年の作品は瀬戸内の海をバックにした、藤城清治さんを思わせるようなメルヘンティックな写真が主だったのですが、若い頃には長崎の軍艦島にも似た厳しい写真が多かったという紹介にはびっくりしました。
 真鶴の窓から海に向かってファインダーをのぞく度に思い出すのが、緑川さんの写真です。

by my-pixy | 2011-11-18 13:25
2011年 11月 10日
今日の日経・オリンパス
f0103459_8395615.jpg歯科110番時代に「朝日」ばなれをしただけで、経済面など99%の記事は見向きもしないのですが「20年前に始まったという」第三者委員会による損失隠し報告を見ると、どうしても OCC事件とぴったり時期は一致しています。
 今日もコラムにまで関連記事が並んでいます。当の前社長にはお目にかかっていませんが、事件前のこの会社の様子などは私の感じていたものそのままなので、われわれの被った被害もこうした背景の中で始まって、改良、中止の迷走を続けた後撤収をきめ、マネーゲームへのめりこんでいったヒストリーの一端だったことがはっきり見えてきます。

by my-pixy | 2011-11-10 08:45
2011年 11月 09日
今朝の日経
f0103459_8555188.jpg このごろ毎日は新聞を読まないのですが、今朝は大きな見出しに捕まりました。20年が過ぎても決して忘れないOCCの悪夢です。
 わが歯科医人生半世紀超のなかでも類を見ないゲテモノ事件、おれおれ詐欺に匹敵するまがい物に引っかかった自分も口惜しくて、以来一切この会社だけでなくフォーマットを同じくするデジカメも見向きもせずきましたが、ちょうど同じ頃、この事件は始まっていたのです。右下の写真の会社や研究室にも何度となく行きましたし、築地の料亭でカメラ談義に花を咲かせたこともありました。
 もちろんファンドなどは別世界の、カメラ設計出身の方にはすばらしい役員もいらっしゃいましたが、肝心の製品開発には黒い雲が見え隠れしていました。そして間もなくあるかなしかの手切れ金をばらまいて逃亡したのです。

by my-pixy | 2011-11-09 09:27
2011年 11月 07日
さらに北へ
 あわただしかった浅虫温泉の一夜が明け、7時からの朝食バイキングに荷物を持ち込んで、そのまま駅に向かいました。駅前に青森行きのバスがいたので帰りはワンマン路線バス、30ぐらいはストップしました。青森駅の観光案内所が開いたのは8.30ですが、ベテラン二人がかりでも十三湖へのルートは分かりません。五所川原までは電車もバスもあるのですがそれからがさっぱりです。お目当てのバスに発車されてしまって諦めてレンタカーになりましたが、時間的にも経済的にもこれは正解でした。
 いつものようにあちこちに止まりながら、昼前にはお目当てのしじみラーメンを堪能しましたが、ベストシーズンは夏だったようです。本日の目標も果たせて今日のお宿は何処でしょうということですが、相棒のいない悲しさ北か南かの選択しかありません。南は今来た道となれば残りは一つ、道路標識も増えてきた「あれが竜飛岬!」しかありません。 しかし、これは大誤算で、北に向かうにつれ雲は厚くなり竜飛岬では小雨までぱらついてきました。誰かがかけた「津軽海峡冬景色」を聞きながら「私は帰ります」で2時間後にはレンタカーを返却していました。
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 逆まわり始めた歯車は止まらず起死回生の旅のアイディアは浮かびませんでしたが、今にして考えればリュック一つで青森駅、このまま学生時代思い出の地、弘前まで足を伸ばすべきでした。弱気になって駅前のグランドホテルにチェックインし新幹線の予約を繰り上げたりしたのは、前夜来のがんばり過ぎのせいでしょうか。全席指定の「はやて」は気まぐれな一人旅には不向きでしたが、ホテル代は二泊で19250円、レンタカーは津軽半島一周して7350円でした。さて次はいつ何処へ?.

by my-pixy | 2011-11-07 15:38
2011年 11月 06日
週末、思い立って青森へ
 このところセミナーだ原稿だと相次ぐ3連休なども引きこもりつずき、あげくの果てブログも歯医者だらけでわれながらこれは異常。金曜日、突然思い立って外に出ることにしました。どこでも良かったのですがジパングクラブで3割引、予想より早く3時間半でつく新青森に引かれました。急遽カメラを整え、少し早じまいにして、14時56分の「はやて」に飛び込みました。青森といっても広いのでどこに行くかはノーアイディアでしたが、むかし通った弘前、大鰐、八甲田、酸ヶ湯などまだ雪はきていないようですし、北の方の五所川原、シジミの十三湖なども月末には通れなくなるでしょう。
 今日の所は、夕食に間に合うかどうかがやっとですので、多少記憶もある浅虫まで入って考えることにしましたが、資料は改札口のわきでもらった旅行社のパンフレットだけです。
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 盛岡以遠の新幹線は初めてですから盛岡の次の駅「いわて沼宮内」などは車内放送を何度も聞き返しても分かりませんでした。さらに新青森が青森駅と離れていることも知りませんでしたから、新幹線を降りるやあちこち聞き回ることになりました。弘前行きの快速に1駅乗って「青い森鉄道で・・・」聞いたこともない路線に青森弁です。さらに事故で遅れている等々ですが、この会話は素晴らしいものでした。オレンジ色ジャケットをきた人は「青い森」のスタッフらしいのですがにこりともせず、しかし素晴らしい対応をしてくれ、まるで伊奈かっぺい氏に対応してもらっているようで、気分は一気にハイになりました。

by my-pixy | 2011-11-06 15:41
2011年 11月 03日
国家試験問題・教科書
 最近、歯科大学を卒業された方から国家試験の教科書の内容を送って頂きました。「試験の教科書」という日本語にも違和感がありますが、3年前の国立大学のことですから驚きです。これを書いた人もまじめに調べていませんから出題されることはないでしょうが、回答を書いたり採点をする羽目になったら恐ろしいことです。歯科医療低迷の源流を見る思いです。

「年代もごちゃまぜで、大きく分けて4つの分類が載せられていました。
1、欠損領域の分布状態によるもの:M.Muller、Kennedy
2、機能圧の負担型式によるもの:Elbrecht
3、上下顎の咬合状態によるもの:Eichner
4、維持装置の 位置によるもの:Cummer
最後には「部分床義歯を分類する目的」という題名でこんな内容が記されていました。
・多くの患者の診断が容易になる
・既往歴の記録が容易になる
・技工操作の指示が簡便になる
・歯科医師間の意見交換が容易になる」

by my-pixy | 2011-11-03 09:27
2011年 11月 02日
欠損の偏在
f0103459_15104786.jpg 初診は1983年で当時50才の男性でした。この時には左下にも残根状態の8が残存していて保存につとめたがままならず、10年後には中段の義歯を装着することになりました。さらに10年ほどして上顎右側にも遊離端義歯を装着しました。

f0103459_16413960.jpg 長い遊離端欠損のサポートは犬歯に置かれたレストに頼っていました。トラブルといえばほとんどはこのクラスプ周辺のレジンの破折でしたが、今回は下の写真のようにリンガルバー基部に著名なジュクソウ疼痛を訴えられました。
 数多くはありませんが10年も使われた下顎リンガルバーの基部にある時おこるジュクソウは、義歯を外して頂いたりしてもなかなかなおらず、調整を繰り返し義歯が前後に分断されるようなこともおこります。今回のキズは3番のシングラムレストの直下でしたが、レストは有効に機能していると思われ、レストと義歯の沈下だけとを直結して考えることはできないような気がしました。すでにこの上下義歯の基本形ができて18年になるので、より簡単な形で再製することを考えています。
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 気持ち的には残しておきたい項目まで整理しましたが、欠損歯列評価法として、治療方針決定ガイドとしての目的には煮詰まってきました。

by my-pixy | 2011-11-02 15:12