2006年 05月 30日
背面モニター
f0103459_11301986.jpg  私自身はそろそろ2年ほどRAW+JPGでの撮影を続けていますが、セミナーなどでお話ししていると、すべての方にRAWデータを推奨することは難しいと感じます。問題はカメラよりもパソコンやソフトの問題で、10年以上も毎日Photoshopを使ってきた人間が「簡単ですよ」というのはあまりに無責任だと思うからです。ただ多くの方がデジタル画像のバラツキに悩んでおられることも事実なので、そちらへの対策も考えないわけには行きません。
 20DからD200になって背面モニターの視認性は大幅に向上しましたが、そうなるとこれで画像の正否を判断できないかと思い始めます。そんな時あるカメラ雑誌で写真のような特集をやっていました。10機種の比較ではD200はダントツのトップでした。フルサイズの機種なども凌いでの結果ですから気分は悪くありませんが、だからといって私にはあまり役立つテストではありませんでした。
 いくら見やすくなったといっても、1.8インチで写っているかいないか、明るいか暗いかだけを見ていた時と基本的に大きな変化はないからです。画像の内容を判断するには背面モニターはあまりにも非力で、色の彩度もコントラストも低くすぎます。ヒストグラムを併用してもリングストロボの画像の判断にはあまり役に立ちません。カメラの調整も明るさ暗さの5段階だけで、コントラストなどはありませんから、過信すると判断ミスにもつながりかねません。ケーブルでつないで壁掛けテレビに映しだしてみればその差は歴然です。

f0103459_11303474.jpg 歯科用途の写真はいつも2枚以上をつき合わせての比較です。術前術後、口腔内と模型上、長期経過などなどほとんど1枚だけで見るとことはありません。そしてその両者の画像が揃っていることが必要なのです。歯肉の色も歯の色も片方ずつなら見られてもつき合わされてはたまりません。僅かな赤みやイエローも誰でもが気がつきます。シェードガイドなどというツールはこの難しさから生まれたものです。 一般の風景写真などでは1枚の画像をとことんまで突き詰めることはあっても、比較して揃えることは稀なはずです。われわれだけが常に現物合わせを繰り返しているのです。スライドの場合は大半があなた任せでしたからやってこれましたが、デジタルはいじれるだけにきりがありません。カメラの背面モニターから始まって、デスクトップ、ノートパソコン、プロジェクターと渡り歩く間に同じ画像も千変万化です。その変化に振り回され多大な時間をとられることからは何とか抜け出したいものです。
 05年9月20日付けのデジタルスクエアに、RAWデータ調整法のアイディアを書いたことがあります。 その後いつも実行しているわけではありませんが、ホワイトバランスツールを使う方法はきわめて有効だと考えています。多くの人が多用しているJPGでも同じようなことができないかと考えてきましたが、トーンカーブやレベル補正についているスポイトツールでも、似たような使い方ができそうなことに気がつきました。まだ日が浅いので確定的なことは書けませんが、近々公開できると思います。

# by my-pixy | 2006-05-30 17:37
2006年 05月 24日
ピンク色の転校生
 先週末1冊の本が送られてきました。どうやら歯科の出版物ではないらしいとは分かりましたが、中から出てきたのは1冊の小説でした。その著者を見てまたびっくり。変わった方が多い当院の患者さんの中でも一,二を争う不思議な方だったからです。羽田の自動車整備工場の社長さんですが、エピソードは数限りありません。まずはこのリンドバーグ風のゴーグルがお気に入りで、来院されるときにもいつもつけていらっしゃいます。冷房は大嫌いで夏は薄地の長いマント着てみえるので、初めての人は何事かと思われるでしょう。
 毎月、送られてくる東商(社名)瓦版もユニークです。最新号にも社長らしい表現があふれています。「レクサス低迷スタート」トヨタにパンチを出して始まります。
f0103459_12314538.jpg車の居酒屋、整備の東商のコマーシャルは
東商の¥18000完全整備をやって下さい。
 1.スチームでクルマを入浴
 2.肺を洗って
 3.胃袋を洗って新しい飯を食わせる
 4.お尻とボーコオ(デフミッション)の洗浄
 ・ 
 ・
と続いて最後は、ブレーキから診るのはヤブ医者です!、という調子です。

しかし今回の目玉は裏面です。「クルマ屋人生だけじゃ嫌だとバカな男が本を出しました。花の甲子園タマ拾い少年期。 読んでやって下さい。
穴守稲荷駅前の羽田書店に並んでいます。と書き添えてありますが、小学館スクエアの出版物です。その前にNHKのテレビドラマコンクールの佳作に選ばれたものだそうです。まだ1冊も縦書き原稿の書籍は作れない歯医者には「クルマ屋人生だけじゃ嫌だ!」はきついメッセージです。
でも、昼から見えたご家族の話では若い頃からの夢で、作品の応募もしばしばだったのだそうです。やっぱり!と納得。

# by my-pixy | 2006-05-24 11:57
2006年 05月 22日
デジタル写真セミナー
2回目のセミナーが終わりました。
・これからデジタル一眼レフを買おうとされている方
・スライドの資産をデジタルに引き継ごうという方
・院長や先輩が作られた細かな虎の巻に忠実に撮影をされているスタッフの方
・今後もスライドに固執し必要なときはスキャナーでデジタル化する技工士
・術前と術後や、新旧2機種の色調不統一に悩まれている方
・RAWデータの実態と使い勝手を見たいという方
・貯まったデータの整理とバックアップを心配されている方
年代も撮影歴もさまざまな方々がいらして、そのできるだけ多くに対応したいと考えたので大変でしたが良い勉強にもなりました。

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スライド時代から、歯肉の色と歯の色にこだわる歯科医、技工士の感覚は、それらの色調についてはかなり厳しいものがあると感じていました。今回の準備中に、そうした要求のベースが、常に2つのものを着き合わせて比較する日常からきていることに気づきました。シェード・テイキングなどがその典型ですが、患者さんの要望も隣在歯との比較が中心ですから、歯科医、技工士が対処しなければならないのは当然です。
 印刷や広告なども色には厳しいでしょうが、専門職もいるでしょうし色数の多さに救われることも多いはずです。シェードガイドに見るような細かな色のステップを、異なる素材で再現するのは大変なことですが、同じような要求を日常のデジタル画像に求めても無理なような気がします。
 私はこの数年間2台のディスプレーを並べて使っていますが、どの世代でも2台の調整がうまくマッチしたことはありません。デスクトップからノートへ、そしてプロジェクターへというステップでも色調が目まぐるしく変わるのは誰もが経験するところです。ディスプレーのカラー調整器機も何度か試しましたが満足できる結果は得られていません。スライドのように固定されたものがなく、すべてかが容易に動いてしまうデジタル画像は、その反面、任意の調整には広範な知識と大きな努力と経験を要求されるのです。

 久しぶりにスクリーンに近い場所に座ってプロジェクターの画像を見ていると、その画像の荒さにはげんなりします。デスクトップで画像を作っているときには100%以下で見ているのに、映写時には同じ画像を数百パーセントか1000%近くにも拡大されているわけですから当たり前のことですが、スクリーンわきの演者席は針のむしろです。ついついレザーポインターを忘れて、ノートパソコンの画面に逃げ込みたい気分になってしまいます。プレゼンには丈夫な心臓と厚い顔の皮が必要です。

# by my-pixy | 2006-05-22 17:30
2006年 05月 12日
ハイブリッド・セラミックス
f0103459_11171848.jpg 先日以下のようなメールを頂きました。興味深い内容ですし送られた方にご迷惑はかからないと思われるので、ほぼ原文のまま紹介させて頂きます。
この度HPを拝見しまして、質問メールを送らせて頂きます。お時間がある時に、ご返答頂ければと思いますので、宜しくお願い致します。
<質問>
十数年前に治療した歯を、これまでのメタルインレーの詰め物から、ハイブリッドセラミックの物へ変えるインレー修復をしました。その理由は、「金属の詰め物(銀)が腐食し始めている。歯の色もくすんでいるので、中で虫歯が進行している可能性がある」とのことだったからです。全く痛みの無い歯ではあったのですが、予防処置の意味合いもあったので、治療をお願いしました。 しかし、治療した歯はどれも調子が悪いです。例えば噛むと痛む、水がしみる、フロスを通すと引っかかりバサバサになるなどです。少なくとも今回の修復で歯をだいぶ削られたので、今後どんな治療が考えられるでしょうか?
 修復がかえって、歯の状態を悪くしてしまったと後悔している毎日です。

 10年ほど前、あるメーカーが自社の製品にこの呼び名を使い始めた時から、誤解を招くから使うべきでないといい続けてきました。しかし、その誤解こそがメーカーの狙いで、製品は売り上げを伸ばし、ハイブリド・・・という用語は他社メーカーや歯科医も広がってしまいました。しかし製品自体はフィラーの混入量を増やしたコンポジット・レジンに過ぎないのです。生まれも育ちもレジンに過ぎないのに、如何にも新しいセラミックスかのように見せかけるネーミングは詐欺商法に近いものがあります。アヒルにしかなれなかった小ガモが白鳥だと言い張るのにも似ています。

 たしかにこの10年ほどの間に硬質レジン(これが本来の名前です)もかなり進歩し、硬さだけでなく色調もかなり良くなりました。あまり頑固一徹なのも・・と、メタルフレームなしのクラウンを製作してみました。セラミックのクラウンであれば接着後に咬合調整するのですが、レジンだからと適合を確認しバイトをチェックしようとした時です。ピシ!と微かな音とともにご覧の通りです。
 摩耗を少なくと固くすれば割れるのは当然ですが、こんなに脆いとは!。オール・セラミックスと同じ気遣いが必要なら、こんな材料使いたくありません。技工の手間だってそんなには変わらないし、何といってもセラミックスには長い実績があります。 アヒルはアヒル、ろばはろば!出番を間違えると惨めです。

# by my-pixy | 2006-05-12 17:27
2006年 05月 07日
ゴールデン・ウイーク
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マダガスカルの反動というわけではないのですが、この連休は暦通りの休みをとり、2日と5日じっと真鶴にこもっていました。この家ができて20何年かが経つのですが、もしかしたらこれが初めてのことかも知れません。

 これだけじっとしているとさすがにいろいろのことが片づきます。雑草との対決も前半でめどがつきましたので、余勢を駆って初めての道路の清掃にまで繰り出しました。両側をにたまった落ち葉が腐葉土になっていますから、箒や熊手でというわけにはいきません。むかし砂利運びをした一輪車も繰り出して、ガードレールの外側に排出しましたが、登りは軽トラでもローギアに入れる急斜面が含まれるのでかなり腰にきました。

 連休後半は地震で出鼻をくじかれ、小田原駅で足止めされたり不穏な始まりでした。体力を温存し、少し前から始めていたグランドピアノ跡地を使っての家具の再配置を仕上げ、たまった建材からTシャツにいたる不要品の処分に奔走しました。来客にはウッドデッキのステイン塗装を頼むなど、ひとのふんどしも有効に活用しました。

  このくらい日数があると食事の支度は楽になります。作り置きをしたりさまざまな食材が仕込めるからです。週末だけですと残さないことが優先で1品か2品で済まさなくてはなりませんが、後半の始まりには5日分と思うとのびのび買い物ができました。
大勢の来客となるとどうしてもバーベキューだ、鍋だと言うことになってしまいますが、2~3人ならば多少は準備をする余裕も出てきます。

 連日、風は休みなく吹き続けましたが、好天に恵まれ快適な休日でした。最後にきれいになったデスク上に、直前に入手したMac book proと古いディスプレーをセットし、機能点検をして帰ってきました。久しぶりの東京駅のホームが懐かしいような感じがしました。

# by my-pixy | 2006-05-07 17:22
2006年 05月 01日
光学ファインダー
f0103459_11111780.jpg カメラのファインダーには人一倍こだわってきましたが、ついに来るべきものが来てしまいました。「デジカメに光学ファインダーは不要!」というご宣託です。現行のデジカメの外寸と2.5インチのデイスプレーという動かしがたい条件の中では、こうなることはやむを得ないと思っていましたが、大メーカーの主力機種がこれだけ一斉に変わってくると、これは変化ではなく革命です。

 一眼レフは大丈夫!と思っていても、こちらもファインダー軽視はとっくに始まっています。重く高いガラスのペンタプリズムは普及機には使われていません。とても買えっこないプロ用の機種をのぞいたら、まともなファインダーをもつデジタル一眼レフは数えるほどです。「いくらブツブツ言ったって、もうあんたの時代は終わったんだ。!」といわれているようです。

 やむなく虎の威を借りてプロカメラマンの望月宏信さんのブログから引用します。この方の写真の美しさにはいつも感心していましたが、先月辺りからブログに転向され、この分野でも素晴らしいサイトになりました。わが「土竜のトンネル」もそれにあやかりたいと真似をした次第ですが、本家は海外、旅行、写真の3部門で堂々のトップで、文字通り足下にもおよびません。

 以下、望月さんのコメントです。(一部省略)
いろんなカメラがありますが、選ぶポイントは「ダイナミックレンジ」の広さなのです。明るい所と暗い所が、両方どこまでちゃんと表現されるかが重要です。今や「画素数」なんて、たいして重要ではありません。簡単に言えば、原則として撮像素子(CCDやCMOS)が小さいほど、レンジが狭いと考えて良いでしょう。もっと簡単に判断するなら、強引な言い方ですが「カメラが小さいとダメ」。一眼レフのように大きなカメラほど写りがいいのです。

 気楽にパシャッと撮ってキレイに写るカメラが求められますね。ところが、気軽に撮りたい人は当然「小さいカメラ」を使いたがります。ここがどうしても矛盾する部分。プロならコンパクトデジカメだって写真集出せます。シロートさんほど余裕のある性能のカメラを使って欲しい。それのが楽です。

# by my-pixy | 2006-05-01 18:20
2006年 05月 01日
5月 タハ
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 タハはチャーターヨットのベースのあるライアテアと一対の島で、この写真の背景の水道をはさんで対岸にライアテア空港があります。丸い小さな島ですが、紅葉の葉のように中心部まできり込む入江があり、その方向がさまざまですから必ず風の影響を受けない場所があり泊地としては最高です。その入江の一つから出てきたところで、ゴーギャンの時代にタイムスリップしたような光景に出会いました。

# by my-pixy | 2006-05-01 17:22
2006年 04月 23日
電子手鏡の8年  その2
 再構築に当たっては、デンタルX線撮影をどうするかという問題と、テレビかパソコンかどちらのディスプレーを使うかという2つの問題があります。
 現在はセレクターで切り替えてエルモと一眼レフを使っているのですが、この点はさして問題がないだけに大画面のテレビが優勢になってきたのです。いくら便利だといっても画素数的にエルモには限界があるのですが、カメラから入力するとなるとX線フィルムの撮影という問題が壁になります。シャーカステン上の撮影にはカメラの固定が必要になるからです。エルモを買いたくても現物がない人には、アクリルのチューブで固定する方法などをお勧めしていましたが、自分で使う気にはなれませんでした。
 スライドデュープ用の装置などのように、レンズの先端部に取り付けることも考えましたが、撮影時も外した時も装置がじゃまなになります。そんなことなら小型デジカメ撮る方が簡単そうですが、入力が2系統になるのでは何にもなりません。1台のカメラで現在よりシンプルな方法でなければならないのです。ISOを上げることも考えましたが戻し忘れが心配です。
 明るいシャーカステンでも手持ちは無理と決めてかかっていましたが、むかしリングストロボを光源にしてデユープをしていたことを思い出しました。被写体を明るくすれば良いのだと気づいてから、問題はすらすらと解けてきました。乳白色の蛍光灯にフィルムを近づけるとワット数にもよりますがF11で1/500位が切れます。
 手持ちならばフィルムを立てて横からの撮影の方がすべてが楽です。レンズとフィルム間は約16センチですから、カメラをキャビネットの上面で固定することもできます。
仕上げはランプの明るさと、間に挟むアクリル板の厚みをコントロールすれば、口腔内撮影と同じ条件、マニュアルでF19、250で、すべての撮影がまかなえることになります。ただしミニリングのスイッチだけはOffにして下さい。

 ここまでくれば一安心、セレクターもエルモも個別のシャーカステンの不要になりました。撮影台は自動現像機のそばに一台あれば十分で、キャビネット上もすっきりしました。どちらのディスプレーを使うかはゆっくり考えます。長年お世話になったエルモの行く先も考えて上げたいと思います。
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# by my-pixy | 2006-04-23 17:52
2006年 04月 21日
電子手鏡の8年  その1
f0103459_1164061.jpgf0103459_1171113.jpg 1998年には、まだデジタル一眼レフは登場していませんでしたが、小型デジカメが100万画素に届き使い勝手も向上してきたので、何とか臨床に応用できないかと考えていました。 当時の主力は親指カメラと呼ばれた小型ビデオカメラでした。日本の歯科メーカーは自社では製作せず、日本製電子器機を組み合わせた米国製品を輸入して売りまくっていました。たった40万画素しかなのに動画を静止画に変換するために、カート一台の図体にもなる馬鹿馬鹿しい装置でした。それに水をかけてやろうというのが「電子手鏡」という発想でしたが、勝算はありました。
 むかし話は98年9月号の歯界展望の「電子手鏡のすすめ」に譲りますが、小型デジカメで始まった電子手鏡は、その後エルモ製資料提示装置DT 70に引き継がれました。自現機から出てきたデンタルX線フィルムを、すぐに拡大して見たいというニーズが高かったからです。DT 70はこの目的にはぴったりの装置で多くの人に愛用され、生産中止が決まった時には身内で在庫の争奪戦がおこるほどでした。フォトビデオカメラなどと呼ばれる同種の製品もありましたが、使い勝手は断然エルモでした。
 カメラで撮影したりパソコンを操作したりする手間が無く、濡れたフィルムでもシャーカステンの上に置けば、そのまま見られる魅力が、ニコンD1に始まるデジタル革命の中でも厳然と生き残ってきました。しかしこのことは患者さんへの画像提示を「ビデオ・テレビ・ライン」に依存させ、パソコンによるシステム展開を妨げる弊害も生みました。症例の記録というラインは完全デジタル化されながら、即時性を生かした患者さんへの提示がなおざりになったのは、大半の患者さんが古くからの方々で、あらためて全顎の提示を必要とすることが少なかったためで、その空間にエルモががっちり根を張ってしまったのです。 遅ればせながらシステム再構築を考え始めました。

# by my-pixy | 2006-04-21 17:50
2006年 04月 20日
K-Maxは不滅?
 白色LEDを使って口腔内写真がとれないか?と熱中していたのはついこの間のことのようですが、デジタル・スクエアにその記録はなく「蔵」の中に仕舞われていました。2002年のことですから、もう4年も経っているのですが思い入れが強かっただけに記憶は新鮮です。手作りの開発段階に、部品を探して秋葉原を歩き回った技工室の人達も同じ気持ちで、コスト高で継続生産はできなくなりましたが、愛用機は技工室の第一線で頑張っています。
 顕微鏡の部品として蛍光灯を使った照明装置はあってもこちらはコードレス。支柱に乗ったバッテリーともども片手で持ち歩ける手軽さは抜群です。かつてのユーザーの方でミニリングに切り替えられた方にはぜひお勧めします。
 LEDの素材は現在も大きく進歩はしていませんし、コストもほとんど下がっていません。大事にして上げて下さい。
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# by my-pixy | 2006-04-20 17:49
2006年 04月 16日
口腔内撮影用ミラー Ref 97
 長らく懸案になっていた口腔内撮影用ミラーですが、ようやく市販できる段取りが整ってきました。TTL接写に見切りをつけ、ミニリングによるマニュアル撮影を推進するには、どうしても欲しいアイテムだったのですが、国内を探し回っても見つからなかったミラー素材がドイツで見つかったからです。半ば諦めかけていたところでしたが、先方もドイツ国内で同種製品を製造していたことから、とんとん拍子で話が進み始めました。
 テスト、デザインのオーダーが進みロット契約までこぎ着けましたので、遠からず発売できると思います。基本形は昔、ペンタックスで作ってもらっていたものを踏襲しましたが、当時はできなかった曲線の加工もとりいれ、一歩、前進できたと思います。
 何と言っても自慢できるのはペンタックスの94%を上回る反射率97%で、現在国内で市販されているミラーを大きく上回ります。肉眼で見ただけでもはっきりするクリアな画像は、撮影時50%の光量ロスがほとんどゼロになる証です。
発売日、価格は未定ですが、現在市販されているもの以下で、5月下旬を目指しています。
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# by my-pixy | 2006-04-16 17:51
2006年 04月 10日
風の男
 
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先週の水曜日NHKの「そのとき歴史が動いた」で白洲次郎さんの戦後物語が放映されました。時間帯も10時に変わり夕食後かぶりつきで見ていました。どちらかといえば白洲正子さんの著作物などに接する機会の方が多く、次郎さんの方については断片的な話で聞くだけで、伝説的なベールに包まれたままでした。
 テレビ番組のこととは思うものの、戦後のこの時期のことは鮮明な記憶として残っているので、戦国時代の物語とは違うリアリティで迫ってくるものがありました。あまりにも美しすぎると思うことの連続なのですが、マッカーサー、吉田茂を筆頭に登場してくる面々にはそれなりの記憶はありますし、敗戦当時の生々しい出来事は世代の片隅で共有してきたので、絵空事とは思えなかったのです。
 翌日、ブックセンターに出かけてみるとおびただしい書籍がありましたが、そのうち3冊を選んで週末はどっぷり「風の男」の世界に浸かっていました。ちょうど私の父親の世代になると思うのですが、私自身は小学校高学年から社会人になる時期のことですから、うらやましさと共感が交錯した久々の読書でした。
 敗戦という未曾有の混乱期ゆえにヒーローやヒロインが活躍できる場があり、そこにピタリとタイミングを合わせて類い希なるスターが登場したということでしょう。正子さんとはまったく異なる分野で大輪の花を咲かせた、それぞれのDNAにはただ驚きのほかありません。

# by my-pixy | 2006-04-10 17:16
2006年 04月 01日
4月 ボラボラ
 
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何処に出かけても、子供達のくったくない姿を見るのは楽しいものですが、クルージングをしていると陸にいる時間が少ないので、こういう光景に出会うチャンスは限られてしまいます。この時も食料や飲み物を仕入れに行ったスーパーの前でのことでした。どこかでヨーロッパの血が入っているのか、フィージーやトンガの子供達とは違う顔つきや色彩感覚が目を引きました。

# by my-pixy | 2006-04-01 17:11
2006年 03月 30日
グーグル・アース
f0103459_10545741.jpg このところグーグル・アースにすっかりはまっています。昨年も一度はまりかけたのですが、この時はMacでの機能がウィンドウズとは異なりいまいちで放り出してしまいました。ところが患者さんにいわれて再度試したところ今度はバッチリで、一度やり出したら止められなくなってしまいました。
 何といっても移動の早さは人工衛星や孫悟空のキントウンそこのけですし、その上高性能望遠鏡を積み込んでいるようなものですから鬼に金棒です。まず地球儀を回して行きたい見たいところを探したら急降下です。目標がぐんぐん近づいてくるのはスカイダイビング感覚です。島を一回りしたり高度を変えて眺めたりしている中に、次の目的地が浮かんできます。
 マダガスカルなんかはっきり見えないないかなと思ったら大間違い。先日飛行機から撮った光景と同じ眺めが出てきて、画像はこちらに負けている感じです。それどころか「アッ!ここで写真撮った。こんな地形になっていたんだ。・・・・」もう抜け出せません。フィヨルド、ラグーンなどヘリで飛ばなければ全体像が分からなかったことが一目瞭然です。
 観光だけではありません。沖縄上空を飛んで見ると普天間基地問題などの理解も深まります。こんな夢のオモチャがタダで手にはいるなんてインターネット様々ですが、地名が見にくいことと、場所によって画像の質が少々落ちることだけが難点です。私ごとでは小田原までは精細に見えるのに、真鶴半島はちょっと圏外になることなどです。それでもこの魅力は大変なものですから、今度入院するときはこれだけは持って行きたいのですが、個室に入れるかどうか、大きいディスプレーが持ち込めるかが問題です。

# by my-pixy | 2006-03-30 14:38
2006年 03月 29日
破折した支台歯
f0103459_1063587.jpgf0103459_10255635.jpg 今月始めにリポートした6本の水平破折歯のうち復旧が最後になったのが左下の写真の小臼歯です。ブリッジをセットしたのは1976年11月でまだ高校生の時でした。正確な記憶はありませんが上顎の叢生をなおしたりして、近心傾斜した7をクラウンにしてブリッジを装着しました。1977年には右側にも4~7のブリッジを装着しています。
 孫の子守りとしても来院されるようになった患者さんを見ていると、30年という年月が容易ではないことを感じますが、エナメル上に形成された4/5冠のマージンにはどの部分にも異常は認められません(1)。素晴らしきかなリン酸亜鉛セメントです。同じ様なケースで「歯を削るよりもインプラント!」と主張するには、少なくとも、あと20年の年月を必要とするでしょう。
 キーウエイの部分には著しい摩耗がみられましたが、4/5冠を切断しレジン前装冠を鑞着するだけで、あえてブリッジの構造は変えませんでした(2)。再び小臼歯に何らかのトラブルが起こり、キーウエーが次の補綴物を受け入れる状況もイメージされたからです。現在この患者さんは、不利な歯冠歯根比に歯周病が重なり上顎臼歯部の崩壊が進み、パーシャル・デンチャーが避けられなくなっています。上顎は3~3のみ残存という状態は避けられないかもしれませんが、生涯その壁は破られないと思っています。

# by my-pixy | 2006-03-29 16:05
2006年 03月 10日
口腔内撮影用ミラー 2
 この話題は04年の11月にも載せたことがあるのですが、どうもきちんと理解されていないようなので、再度、書くことにしました。問題はミラーの反射率が画像の明るさに大きく影響するということです。東京都産業技術研究所のテストでも7種類の市販品の反射率は最高97%から最低59%までばらついていました。

 その位ならたいしたことないじゃないかと思われるかもしれません。しかしそう簡単には行かないのです。もしストロボの光量を100とすると、ミラーを使わない正面観の撮影では、そのまま100の光量がカメラの撮像素子に届きます。ところが大半のミラーは反射率70%位ですから、ストロボの光が被写体に届く時には70になってしまいます。70の光で照らされた歯列の状態がミラーに反射させてカメラに届くには、もう一度ミラーのロスが避けられないのです。繰り返すとカメラから出たストロボ光とカメラに戻ってくる画像の明るさ両方で30%づつが失われるわけです。
 結果としてミラーを使わない場合と比較すると49%しか受光素子には戻ってこないのです。反射率が95%であれば往復しても90%は確保されますから無視しても良いでしょう。しかし半分以下になるのでは補正が必要です。テスト品の中で最悪の59%のミラーでは、正面観の1/3以下になってしまうのですから、ミラー撮影で画像が暗くなるのは当然です。

 抜本的な解決策は反射率95%クラスのミラーを使うことなのですが、市販品にはありません。コストを考えながら製造を引き受けてくれる相手を探すのは容易なことではありません。撮影頻度はミラー撮影の方が圧倒的に多いわけですから、こちらで基準を決め、正面観には一段明るさを落とすことが安直な解決策です。何れにしてもカメラだけではなくミラーは大切な道具です。平面度が悪く画像が歪むミラーもあるくらいですから。
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# by my-pixy | 2006-03-10 17:43
2006年 03月 06日
カムイ・リンクス
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 今シーズンの締めくくりはパッケージツアーで旭川行きになりました。このスキー場、オープンして15年ほどになりますが、その直後に2~3回通ったことがある思い出の場所です。人気者の4本スキーのセントバーナードなど、工夫をこらした演出もなかなかでしたが、何よりも気持ちよく滑れる広大なゲレンデが魅力でした。スキー場に隣接してホテルやペンションなどが無いことが難点ですが、旭川市内から40分という距離が、多彩なナイトライフを可能にする魅力もあって、われわれのスキー仲間でも根強い人気のスポットです。このスキー場も最近の不況やスキー凋落の影響で倒産の危機に瀕したようですが、受け皿となった第3セクターが旭川市の支援も受けて、何とか持ちこたえているとのことでした。金曜、土曜日はゴンドラもリフトももガラガラで他人事ながら心配でしたが、最終日だけはお昼の「ジンギスカン大会}など、イベントも効あってか往年をしのぐにぎわいでした。

f0103459_831898.jpg 今回同行のメンバーは、スタディグループの若手中心の12名に、偶然合流したスキー仲間3人、夜だけ参加の地元2名も加わってにぎやかなスキー旅行でした。天候は晴れから薄曇り気温はマイナス3度から4度で、春スキーとしては期待以上の粉雪に恵まれ申し分ない3日間でした。

# by my-pixy | 2006-03-06 16:57
2006年 03月 01日
有髄歯の破折
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 歯の話がとんと無いのもいかがなものかと反省し、臨床の話題も入れることにしました。トップバッターはちょっと暗くなりますが、普通ではあまり考えられない有髄歯の破折です。なぜかこの半年ぐらい絶え間なく連発しているのです。インフルエンザでもないので流行などあるわけもないのですがほとほと閉口しています。
 下顎小臼歯の3本は大根輪切り状態で歯髄が露出し、即抜髄以外にありませんでした。上顎小臼歯の2本と下顎大臼歯は、歯冠長はひどく短くなりましたが何とか浅い帽子をスーパーボンドで被らせました。6本中バージンティースは1歯だけでしたが、修復物が起因になったと思われるものはなく、4本は修復後20年ちかくを経過していました。ブリッジとデンチャーの支台歯は各1歯で残りの4歯は単独の歯牙でした。
 患者さんはお一人だけが40台でこの方だけはかなり欠損がありますが、ほかの4人の方は欠損は1〜2歯だけペリオの問題もない優等生です。歯だけを診ていては「そんな馬鹿な!」といいたい気分なのですが、あまり認めたくない共通項が一つだけあります。4人の方とも70才台の入り口以降だということです。恵まれた体質とメインテナンスで、歯の悩みからは縁遠いところにいらした方々を突然襲ったアクシデントに「この歳になればお互い何かはありますよ」という以外かける言葉がありませんでいた。

# by my-pixy | 2006-03-01 17:34
2006年 03月 01日
3月 サントリーニ
 1971年の写真ですからもう35年も経っているのですが、ペンタックス6×7の大判スライドのおかげで見事に蘇りました。カリブ、南太平洋と並んで世界の3最大クルージング・スポットといわれていましたが、その中で最も行きやすかったのがエーゲ海でした。この時もドイツの学会デンタルショーと半分半分で計画しましたが、日本での情報はまったくなく、アテネに入ってからあちこちの船会社を尋ね回って、1週間のクルーズを選びました。もちろん始めてのことですから見るもの聞くもの珍しく、寝る暇も惜しんで寄港地、船内を徘徊していました。
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# by my-pixy | 2006-03-01 16:51
2006年 02月 24日
たった一つの金メタル
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大会も終了直前になって荒川静香さんが金メダルをゲットしました。ご本人にとってはもとより日本チームにとってもかけがえないメダルです。深夜ではなく得意な早朝の時間帯でしたから、かぶりつきでライブを見いっていました。
 ショートプログラムで、はじけるようなコーエンの演技の前では、ベテラン2人はちょっとかすんで見えないではありませんでした。しかしフリーでは明暗は分かれました。今シーズン、ミスなし完璧の演技を憎らしいほど続けていたスルツカヤに輝きはなく、ガラスのコーエンはお伽の国に帰りました。
 女子シングルは華麗であると同時に過酷なスポーツです。ライバル2人をここへ追い込んだのは、昨年末からの荒川の靴音だったような気がします。この時点で彼女の演技はバラバラで切れも悪く、これで何とかなるだろうかという印象でした。しかし自分自身を見る目は的確で、こつこつと問題は解決されていったようです。ライバルの耳には靴音はだんだん大きくなり、ショートプログラムでは耳に響くほどになっていたのでしょう。並ばれてしまえば追われる方が辛くなるのは当然のこと。最終組がリンクに登場したときに勝負は決まっているような感じがしました。ミスを避けこれまで通り着実にやっていけば、メダルは必ず向こうからやってくるという確信が、荒川を支えているような感じがしたからです。ライバル二人はその靴音に怯え自分の音楽も聞こえなかったかもしれません。
 長野、スクオバレーでの雪辱を!という言葉は良く耳にしましたが、荒川の口からは聞かなかったように思います。8年かけて高校生が女王になった素晴らしい朝でした。
 一つ気になるのは世界最強を誇る日本チームの将来です。真央ちゃんは大本命としても、もう一人の成長株中野を今回のメンバーから外したことです。選手団全体としても、長野組がボロボロになってもしがみつかざるをえない現状を、どう考えればよいのでしょうか。選手個々の問題ではない連盟、体協などに何かがありそうです。

# by my-pixy | 2006-02-24 16:49