タグ:義歯の機能とかたち ( 156 ) タグの人気記事

2016年 05月 10日
補強線は使わない!
f0103459_10525452.jpg 2015.11.25日のゴールドメッシュ入りの総義歯を見せられたときは南蛮渡来物を見せられたような気がしました。透明レジンとの組み合わせが私の発想にはなかったので、その姿形に魅せられたのです。暫く迷った末、知り合いの総義歯装着者二人にサンプルを見てもらいましたが。反応は良好でした。
 かねてより上顎総義歯には金属床よりレジン床と思っていましたので、使用する加熱レジンのことも考量し、この二人に使ってもらっています。決して良好な顎堤ではありませんが気に入って使って頂いているようです。

 多分、清掃時のルックスが愛用の決め手になっているのだろうと思います。圧印で整形するメッシュが補強効果を持っているとは思いませんが、すべてレジンに包埋されていますから実害もないはずです。メッシュに接着処理はされているようですし、最悪破折事故が起こっても断面に突出したメッシュを切り取れば、レジン破断面頼りで修理は可能なはずです。

補強線を使うのは旧義歯の修理に小さく入れるぐらいで、新規の場合はコネクターを使います。間違ってもゴールドメッシュやファイバー樹脂などを補強剤に使おうとは思いません。下のパーシャル・デンチャーはずいぶん古いケースで最近は拝見していませんが、問題は出ていませんでした。

by my-pixy | 2016-05-10 09:06
2016年 05月 08日
補強線? 破折誘導線 ?舌感阻害線?(続き)
f0103459_8401170.jpg
f0103459_8435668.jpg上顎義歯の破折以外に、一次固定されていた下顎3前歯のうちポストが短い左2がコアごと脱落していた。隣の1番の切端、唇面の咬耗も著しく、この義歯が装着された時は、パノラマX線写真の黄色のラインの前歯部支台歯間で剪断し、オープンバイトの臼歯部で圧縮するという使い方をされていたことが推測された。

 地方にお住まいで、その後の処置をされた歯科医も亡くなられて、お子さんの元に逆里帰りをされての来院だった。メインテナンスが打ち切られた時の悲哀は、連休中のわれわれの患者さんにも他人事ではなく、6ヶ月ごとの通常メインテナンスでは見かけない応急処置に追われていた。

 破折対策を考えようとしても技工的対処以前に、予知と術後対策を考えねばならない。アフタケアを含めて対応していける場合と、高齢化でそれが思うにまかせなくなったときとでは、全く様相を異にするので方向性さえ定まらない。

難問山積の高齢者の補綴処置だが、義歯を含む補綴処置では、義歯の安定を最優先する患者さんの思い一つで、習慣的咀嚼側も、義歯を含む嵌合位も容易に変化し、顎関節の顆頭形態までもそれに追随していくことを見せつけられると、われわれにできることの少なさを思い知らされるばかりだ。

それでも未知のことがあるから頑張れるし、楽しみは尽きない。 Never Give Up !

by my-pixy | 2016-05-08 19:28
2016年 05月 07日
補強線? 破折誘導線 ?舌感阻害線?
f0103459_947118.jpg パーシャルデンチャーの設計にCADが役立とというレポートは見たことがない。単冠用ののレジンのインゴットを削クラウンを保険導入して何が進歩するのだろう。歯科医師会も厚労省とやらも不思議な世界だ。

 こんなケースは稀ではないが昔から変わりなく見かけるもので、それがある限りCADの出番はないだろう。舌感を最も阻害する部分であっても、どうしても必要ならば補強線もやむを得ないかもしれない。しかしこのケースでは何も役立たずに長い間、患者さんを苦しめ最後は破折の誘因になったことは間違いない。前歯部顎堤を温存できたという人もいるかもしれないが、その主役は2本の前歯であって補強線ではない。義歯の設計以前の問題だが、そんな仕分けもせずCADを使おうなんていうことになればレジンの短冠より恐ろしいことになる。

不適合な補強線によって義歯の厚みは2倍以上になっている。 維持装置は良く適合していたが、それだけではどうにもならないことは、パーシャルデンチャーの面白さでもあり難しさだ。イタリアのスーパーカーの設計でも、日本の匠と呼ばれる職人さんも人の手が美しい製品を作り出し行くことに変わりはない。口腔内でこの義歯に触れてみれば何かに気づくはずだ。あれこれ考えていると問題の複雑さに引き込まれていく。

破折の直接の原因になったのは技工上の問題だが、それが反復したことには患者さんのヒストリーや咀嚼習慣の変遷に原因があるあると思われる。(続く)

by my-pixy | 2016-05-07 09:49
2016年 03月 29日
スクリーンセーバーはパンドラの箱?
f0103459_982961.jpg 昨日の義歯の背景に使ったホルダーをスクリーンセーバーにかけるとこんな形で次々に展開します。
通常の発表の時は経過を追って年代順に提示しますが、このホルダーにはお一人様多くても3〜4枚に絞っていますから、同じケースが何度も出てくることはありません。ホルダーを分けない限りどのケースがいつ出てくるかはパソコン任せですから意外性があります。シャッフルにするとさらに予想はできなくなります。「義歯の機能とかたち」は土竜のトンネルの最大のタグです。欠損形態の分類、すれ違い咬合など私が追いかけてきた臨床ファイルシリーズの最終章でもあるのです。最後の切り札としてして考えた「KA367」で機能的な要素を考察したあと、実際のかたちに入るには論理からイメージへのジャンプが必要です。この時の最大の拠り所はプロビジョナルレストレーションですが、その前にどんな姿を思い浮かべながらプロビジョナルを進化させれば良いか、イメージの有無が問われるところです。






by my-pixy | 2016-03-29 08:41
2016年 03月 19日
仮着セメントで術後対応
 f0103459_8521874.jpg くも膜下出血後のリハビリが続き観血的な処置は控えている。ホープレスに近い左側3456の補綴物も、定期検診時のセメントのコントロールだけで固定性ブリッジとして使われている。即重のテンポラリブリッジも今回はウオッシュやコーティングなどのメインテナンスをしてきれいになった。最も堅いテンポラリーセメントを使っているがリムーバーで撤去しながら3年半が過ぎた。
 
1980年以来の患者さんでドラマのような出来事が続いたが、現在は4ヶ月ごとの定期検診で安定している。あまり発表したことないケースだが、来週末からの基本ゼミ用に整理を始めたところである。

by my-pixy | 2016-03-19 09:05
2016年 03月 13日
「可撤性の可能性」と可轍部の簡素化
f0103459_16184477.jpg12月28日もくあみ会でのタイトルは「可轍性の可能性」でした。高齢者の歯周病多数歯欠損症例対してパーシャル・デンチャーの適用を再考しようということで 、良く考え抜かれた日本語でしたではありましたが、演者にも参加者にも理解されたとは言えませんでした。
英文であれば Periodontal splinting とPeriodontal Prosthesisの違いということなのですが、日本語になって「連結固定か歯周補綴か」「動揺歯の固定と欠損補綴」となると拡がりがなくなってしまうということだったのでしょう。問題は「可撤性」かけられた思いや理解が千差万別だったことにあると思われました。

 問題点はペリオを中心に研修中の方には、連結固定で目一杯で歯周補綴を考える余裕はなく、処置の最終段階になって五里霧中になってしまうことを、どうすれば突破できるかということだとと思われました。私自身もさんざん苦しんだのは、全顎的な補綴処置は補綴の中でも最も難しいことで、その解決には多くの知識と長い経験とを必要とすることでした。補綴的な問題だけでも少なくとも10年を要するでしょうから2足の草鞋で解決することとは思われません。われわれの医院でも患者さんの高齢化に伴い、従来通りの対応は困難になりつつあります。

 臨床歯科を語る会などでもよくお話ししていることですが、高齢の患者さんでは症例の持続期間はどうしても短くなります。メインテナンスも若いときのようには行かなくなります。そうした状況に対応するには、長期的に変更しない部分と、小刻みな修正が必要な事柄を区分して対応する以外にないと思います。
  オーソドックスな技工ステップで10年以上の持続ができなくても、問題がおきたらすぐに対処できるレジンのオーバーデンチャーで、小刻みな対処を積み重ねた1988年の症例です。

by my-pixy | 2016-03-13 10:03
2016年 01月 19日
ダメもとインプラントがなくなって
f0103459_8202476.jpg
f0103459_8271950.jpg
f0103459_11141526.jpg昨年でケースプレはお終いと宣言しましたが、もくあみ会にもあまり出番はなさそうなので、火曜会新年会の花火代わりにアップしました。


先日のパーシャルデンチャー新時代追補のオマケのような話です。ただ30年を超す長期経過で、初診時には経済的条件からレジン外冠多用するなど苦しい対応をくり返し、ようやく68才まで持ち込んでほっとしているところです、テレスコープはパラ、シングラムレストはコンポジットなど緊縮財政で通してきましたが、唯一の無駄は左上3のインプラントでした。1年も働かずヤッパリ・・・!の一言でロストになりましたがこの無駄は何かになったようです。
 これで踏ん切りがつき、これまで以上に☆印周辺の上顎義歯床の適合により一層注意するようになりました。フィットチェッカーの硬化遅延剤の使い方にも気をつかっていますが、最終の状態にはかなり満足しています。(上顎臼歯部の顎堤がそれなりの圧負担をしているらしいからです。)

一番下の画像の☆印で左右のオクルーザル・サポートが、左側の犬歯を欠きながら均衡がとれているのが分かります。ご本人の義歯の使い方も熟達の域に入られたようです。上下それぞれ義歯の取り扱いの違いなどもさすが大ベテランで、いつかはシングルデンチャーとしてもまだまだ先になりそうです。
 
戦友になったような入れ歯談義はリコールの楽しみです。
この方40年間点描のカレンダーを作り続けていらっしゃいますから、今度はの点描マップもできそうです。義歯動態のビデオは撮りませんが。

by my-pixy | 2016-01-19 12:22
2015年 12月 25日
症例分析からデンチャーイメージへ
f0103459_12164153.jpg 一時、頓挫していましたが、気を持ち直してケースの差し替えなどもすませました。欠損歯列マンダラでもやもやしたイメージだったものが、実用性に向けて一歩踏み出せたと思っています。 KA367活用後の具体的指針になることを期待しています。もくあみに向けてテストフライトは3日後です。

前のものと大して変わっていないようですが1日かけていますから微妙にあちこち変わっています。
ただマイナーチェンジで直しきれない画像や文言もあちこちです。年末の大改造は必至です。

by my-pixy | 2015-12-25 15:11
2015年 12月 24日
Merry Xmas
f0103459_1158221.jpg ぐちゃぐちゃしていて何のことやらと思われるかもしれません。横に並べた欠損4段階のプレートは1987年の臨床ファイル2以来のものです。当時、かき集めたパーシャルデンチャーの100症例を見やすくするために考えました。まだEihnerの分類から抜けだし切れてはいませんでした。1行目のタイトルは正面玄関に表札ですが、イェロー文字(ブリッジとの選択、欠損の補綴、咬合の回復、犬歯の保全)などは木戸口につけるようなネームプレートでした。3行目は2000年以降になって気がついたEichnerのグループとの相関性でした。 その下の表題、片側遊離端、ブリッジタイプなどは、全く別な動機で義歯の形だけからから仕分けしたものでしたが、今回並べてみて上段との類似性が見えてきました。これぞ「機能と形だ!」と気をよくしていますが、もともと生まれ育ちは違いますからまだまだです。

by my-pixy | 2015-12-24 13:45
2015年 12月 23日
片顎3分割からオーバーデンチャーへ
f0103459_11525854.jpg1970年ペリオに苦しみながら、緩圧全盛時代に逆らってEichnerのアトラスの見よう見まねで可撤ブリッジに踏みだしました。複雑な装置には頼らず、術後の欠損額堤との対話の中で多くのことを学んで「義歯の機能と形」は一歩ずつ前進してきました。
平和な時代に恵まれて、あれほど猛威を振るっていたカリエスもペリオもいつしか収まり、方向性は少しずつ見えてきました。そのすべてはともに年を重ねてきた患者さんのお陰ですが、40才にしてブッリッジからパーシャルデンチャーへ軸足を移してきたことも、両者にとって良かった思っています。そして今もトンネルの先に見える景色を楽しみにブログを書いています。

 もちろん多くの人が無歯顎を経験するわけではありません。しかし咬合支持の低下、すれ違いなど、悪いコースに押し流されていった場合、その時々にどんな義歯の形態をイメージしつつ対応すべきかのまとめです。全体的にはブリッジに寄り添い少数歯欠損の時はコネクターや大きな床に依存せず図のような片側処理で頑張ります。しかし多数歯欠損になればコネクターの活用が避けられなくなります。

 次の曲がり角はすれ違い寸前など咬頭嵌合位が危機に瀕した時で、歯牙負担だった補綴物を義歯床依存に切り替えねばならない時です。患者さんにとっても最も辛いときで、審美性を含め固定性への執着との戦いになりますが、この段階ではもう一つのメジャーチェンジが避けられなくなります。
 支台歯、補綴歯すべての咬合面を義歯側に移すことです。支台歯部分だけを先に補綴し、残りを別途パーシャルデンチャーで補綴する2分化は通用しなくなるからです。製作時の技工的にも咬合採得などが困難ですし追加処置もむずかしくなるからです。コーノスが使われている多くのケースで、それが無難に行っているのは咬合力が弱い場合だけです。それ以外は支台歯と補綴歯の段差拡大などで再製や困難な修理を強いられています。残った残存歯はこれまで通りの内外冠で可撤部を安定させることはできます。しかし変化のつけとして生じてくる咬合の変化は、義歯の人工歯に逃がすオーバーデンチャー型への転換が必要なのです。人工歯の咬合調整量は大きくなっても義歯全体の動揺は極力抑えるべきです。それが顎堤の変化量のバロメータだからです。咬合崩壊症例などを含め、この段階では頼るべきは欠損顎堤で少数の残存歯は感覚的には役立ってもSuportの主役ではないのです。

by my-pixy | 2015-12-23 16:11