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2010年 10月 01日
Peter E. Dawson
Peter E. Dawson_f0103459_19184131.jpg 1970年代に刊行された前著では、始めから終わりまでではないが「咬合高径」に関する部分を繰り返し読み、しばしば引用もしました。その最新著ということで久しぶりに書店に出かけましたが、持ち帰ったのは日本語版ではありませんでした。
「そんなに英語に堪能だったっけ?」海外生活の経験もありませんのでご存じの通りNOです。それなのに英語版を買ってきたのです。
2冊を手にした時ははできれば日本語版!と思いながら1時間ほど2冊を見比べていました。時間経過とともに両者の間に大きな違いがあることがはっきりしてきて、Mosbyと日本語版翻訳出版社の選択になりました。
 疑問の始まりは630ページのオリジナルが530ページになっていたことです。通常日本語版はページ数が増加するのが常です。この本でもコンテンツは1ページが9ページにもなっています。それなのに全体ではページ減少の謎を探ってみました。分担翻訳者数は何と59名。写真の大きさなどページレイアウトは大きく変わっています。同じ写真が1/4の大きさになっているものや、図番号の違いなどから想像すると同一書籍ではなさそうです。図版を中心にした拾い読みなら59人の全文翻訳は不要です。箱はないけれど重量も価格もリーズナブルなMosbyの方を選びました。
 ベースは臨床家のはずの著者がその後どう変わったかに興味があって、30年ぶりの購入を思い立ったのですがその内容には失望しました。カラーにはなったものの症例はほとんどなく、時計の針は止まったままのようです。ことケースプレに関しては日本のGPの足下にも及びませんが、もちろん彼らはそんなこと認めはしません。臨床はあくまで国別、人種別なのです。

by my-pixy | 2010-10-01 19:26


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