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2011年 03月 17日
震災緊急特別寄稿
「多言は不要、今朝の地方紙の辺見庸を送ります。現時点でこれ以上の正解はありません。」と富山の寺田先生からFaxで送られてきた北日本新聞です。実はこの著者、2年ほど前にグノーシス出版の小長谷さんにマリオ・ジャコメッリの写真と共に紹介され本も頂いていました。「忍び寄る破局」の方はまさに今日を予測するような内容でしたが難解さと暗さに途中放棄して、ジャコメッリの下に隠していました。この写真家もまた半端ではない魔界を写した写真ともいえるようなもので、現と夢と死の間をさぐるようなものでした。この時は充分に理解はできませんでしたが何か心に残り、今回の特別寄稿では表現力の素晴らしさに驚嘆しながらも、大きく理解を深められました。
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 これらの本の中には気になる言葉がたくさんでてきます。ジャコメッリの帯には「虚無と孤独の底から立ち上がる表現への渇望 自由への意志」と書かれています。もう一冊の目次には、破局の同時進行、世界からの孤絶、末端化する生体、思索の排除、価値が転倒した世界、日常のコーティング、メディアが先導する世間、駄作としての資本主義、「誠実の凄み」、宙づりの言葉、などという警句のような言葉が並んでいます。いわば寄稿文のタイトルである「非情無比なる日常の崩壊」を予見する言葉たちです。
 きちんとは読みはしなかったのですが、この2〜3年これらの言葉やジャコメッリの白と黒の世界に大きく引きずられてきたような気もしています。

by my-pixy | 2011-03-17 11:25


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