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2011年 04月 18日
カズオ イシグロをさがして
カズオ イシグロをさがして_f0103459_13264845.jpg日曜日の夜、いつものように日曜美術館が終わり、クラシック番組になるところで、チャンネルを変えようかと思っていました。ズービン・メータという指揮者のことも、第九交響曲のこともよくは知りませんでしたが、指揮者も楽団員もコーラスも素晴らしい迫力で今こそこの演奏・・・という感を強くしました。
 その感動も覚めぬまま次の番組「カズオ イシグロをさがして」が始まりました。「生物と無生物のあいだ」ですごく惹きつけられた(モグラのトンネル、2007.12.20)生物学者 福岡伸一さんの対話が導入で、さまざまな関係者の発言を交えてどんどんその内容に引き込まれていきました。

 むかし語る会でビデオを無料配布したことのある、骨細胞の新陳代謝を記録した「Bone」。「生物と無生物のあいだ」の「生命とは動的平衡にあるながれである」「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」という文言。そしてクローン人間という設定の上に描かれた小説「わたしを離さないで」すべて生命とは何か、人の存在とは何かを問いかけたものです。イシグロ氏は記憶ではないかと考えているようです。

 日本人として生まれながらすべての小説は英語で書かれ、日本に帰ることが一番苦手だというイシグロ氏は、5才までの日本の記憶とも戦いながら小説の構想を練っていったのでしょう。(数十年前には漱石が苦しんだ同じ舞台ロンドンです。)

by my-pixy | 2011-04-18 10:36


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