2013年 09月 30日
フルマラソンから短距離へ
f0103459_14334615.jpg ブログでは語りきれない長い、長い物語です。1944年生現在69才の男性です。どちらかといえば友達付き合いが主で問題が切迫すると医院の入り口から現れるというというひとでした。極度の痛がりやでスケーリングをするだけでも緊張で汗びっしょりになるのでバスタオル持参で来院されていました。
 40台から歯周病は深刻で無歯顎をちらつかせて抜本処置を迫りましたが、ブラッシングさえ改善できませんでした。聡明な人でデザインセンス抜群、スポーツは万能、スキーはもちろんのことフルマラソンでも半端ではないタイムを保持していました。1998年2枚目のパノラマの頃には自然脱落が続き仮義歯のようなレジン床義歯が欠かせなくなりましたが、それでもおみこしは挙がらず度重なる義歯破折への対応はスタッフ任せになっていました。技工室で模型は見てもご本人と話すのは歯以外の話題という状態が10年近く続いたでしょうか。何か風向きが変わってきました。
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 度重なる義歯修理に音を上げていたのはわれわれの方ですが、いよいよ無歯顎が近づいたからか、還暦を過ぎたからか、若い女性勤務医に気を許したのか、義歯を再製することになったようです。黒子の私にはよく分かりません。技工室でパーシャル・デンチャー用の個人トレーを準備していたことや、破折防止策の補強線を張りめぐらしているのは見ていました。
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それから2〜3年が過ぎ、メインテナンスで来院した時に久しぶりで口腔内を目にしてびっくりしました。あの浮腫性の歯肉は何処へやら、歯と引き替えに輝くような歯肉が何処からかやってきていました。昔からお酒もたばこも飲みません。60台に変わったことはフルマラソンを止めて100メートルに転向、70才寸前で13秒台だそうです。

 あんな歯でしたから咬合力は強いはずはなく、顎堤吸収は微少、唯一の咬合支持歯こそ咬耗していますが、保険用人工歯も歯ブラシで減っているぐらいです。3/4犬歯ですが、咬耗した左上犬歯のエーカース鉤のレストは無くなり鉤腕上面は支台歯と同じ面ですり減っています。程良い混合負担ということでしょうか。私の出番はまったくなくナイトガードも不要です。不慮の出来事がなければ、まだ30年位元気そうですが、上下一対の犬歯が咬耗しながら咬合を支えて行くでしょう。結局、私は終始、傍観者として関わりをもっただけでしたが今後のために良い勉強になりました。

by my-pixy | 2013-09-30 12:46


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