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2014年 05月 26日
グリンデルワルト 1
1月14日
グリンデルワルト 1_f0103459_19501365.jpg グリンデルワルト 1_f0103459_19441572.jpg
7.30に起こしてもらう。まだ薄暗い。すぐ支度、食事をして9時の電車に乗る。ガスはなく山はみな見えるが快晴は望めそうもない。間近に仰ぎ見るヴェッターホルンなどの巨大な壁の迫力は何とも一寸表現のしようがない。瀟洒な家々のすぐ背面に屹立する様子は壮絶である。これでアイガーの北壁などにお目にかかったらどうなるかと心配になるほどだ。昨夜Sが少し話をしてきた英国人の家族4人が案内してくれるというので、これ幸いとついて行くことのする。37分かかってKL.Scheideggに登る。登山電車を使ってのスキーは初めてだが広いし暖房も良く効いているし大勢の人を眺めたり話も出来るからリフトやゴンドラなどよりは遥かに快適である。上はやはり少しガスがかかり雪がちらつきアイガーなどもその下部が見えるだけだ。
 途中で冷えないせいもあるだろうが、アメリカのスキー場やボストンなどの寒さを経験した後だけに暖かく感ずる。事実少し動くと汗ばんでくるし軍手一つで充分なのだから気温はそう低くないはずだ。そのうえ風が全くない。土産物屋を冷やかしていると早速、槙有恒氏の名前が出てくる。やはりここでの彼はそれほど有名なのだろう。それに商売がおんぶしている感じだ。
まずラウバーホルンのTバーリフトに乗る。ガスで凹凸や新雪の場所などが全くわからないので時々エアポケットのようにストンと落ちたり、新雪の所へ飛び込んだり散々苦労して何とか下に降りる。次いでユングフラウヨッホの方へ登る。電車で二つ三つ先の駅まで登りそこからまた別のリフトの出発点へ滑り下り、リフトでまた登ってKL.Scheideggへなどと滑る中にすっかり疲れてしまった。滑降量が大きい事もあるだろうが今シーズンまだほとんどスキーらしいスキーをしていないこと、慣れない長い(1000メートル位だろうか)急なTバーリフトで休まる暇が少ないことが原因らしい。
 昼食は宿から渡されたお弁当にスープを頼んで食べる。ところがこの弁当がまたすごい。バターをたっぷり塊のまま塗りつけ2塊のチーズを添えたパン、サラミと焼豚様の肉をサンドしたパンがそれぞれ1つずつ。それにゆで卵、リンゴ、オレンジ、更にクラッカ、ウエハースなどの小さな包みが1つでとても1人では食べきれない。
 昨夜もそうだったがこの辺りで暖かくして食べるものは皆白い陶器の深い大きな長方形のお皿の様なものの中に携帯燃料のようなものが入れてあるらしくマッチで火をつけその上にお皿を乗せて運んでくる。ともかくなにかにつけ心憎いばかりだ。例えば2度目にKL.Scheideggから乗った電車にしても綺麗にニスで外側を塗りあげそこに真鍮の金具やマークが光っているといった具合いだ。コースの標識は色分けしたポールが、危ない所には三角旗を並べたような形の柵が作られている。午後Wengenの方に半分ほど下る。これがまたご機嫌の斜面だ。晴れていたら涙が流れそうだ。反対側のWengenから登ってくる電車でまたKL.Scheideggに戻る。雪が次第にひどくなってきたので少し早目だが諦めて降りることにする。ところが暫く滑ると雪も小やみにガスも晴れてきた。良さそうに
スキー学校の生徒が10人ぐらいずつまとまって気分さそうに良さそうに飛ばして行くととても帰る気にはなれなくなる。午前中は何も見えず不意にコブから突き落とされて蛙の様に潰されそうになったり、そのブザマさはキリントンの再来だった。イモだと思っていたイギリス人の家族4人が意外と強く、危く置いて行かれそうになったのもショックだった。暫くするとうまい具合いに電車の途中駅にすべりこめたのでこれ幸いともう1度滑る。Sとは途中ではぐれてしまった。今度はKL.Scheideggから1発で降りてやろうなどと目論んだが、野心を抱くと得てしてうまくゆかないもので、何度かコース外に飛び出したり、ひと休みしようとすると同時に滑り出した女の子に追い抜かれたりしてヨレヨレになる。更にこの辺からは雪がかなり固く小休止を繰り返してようやく下に着く。
 Grinderwaldの駅の前では小さな子供達が広いリンクでスケートを楽しんでいる。ニス塗りの自転車型のソリがたくさん実用で使われていたり、店のウインドウにはヨダレの出そうなものが一杯に並んでいる。あちこちひっかかりながら宿へ帰る。夕映えが美しく夕食もまた快適。毎日、何か名前もわからぬものを出されるが食べると皆それぞれうまい。今夜は青のりにニンニクを加えペースト状にしたものだが洋風な味だった。夕食はパンよりじゃがいもを炒めたものが主食だ。スキー場でもこれを皿に山盛りにして食べていた人がいた。色々ウマそうな物を食べている人がいるのだがこちらは弁当で手一杯なのが残念だった。
 月明かりの中に見える山々の姿は昼間の何倍も美しく荘厳だ。この感じは文字でも写真でも映画でもその何分の1も表現出来ない。明日の晴天を祈る。書き忘れたが今日アイガー氷河を見た。美しくものすごい。
宿以外の電車やお土産などはかなり高い。

by my-pixy | 2014-05-26 08:06


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