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2019年 09月 13日
間接法の危機
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f0103459_9395764.jpg振り返ってみると私が歯科臨床に入ってきた時は間接法の黎明期だった。鋳造冠を筆頭に全ての補綴物の精度向上のためにハイドロコロイド、チオコールラバー、シリコン印象材が精密鋳造のために競合していた。高速切削の進歩を生かすには印象材の進歩は不可欠だった。
太平洋戦争前に持ち帰られたその手法が、日本での戦後を開くことになったが、印象材はハイドロコロイドからチオコールラバーに変わっても、カッパーバンドの使用が日本ではスタンダードになっていた。
ハイドロコロイドとアルギンの併用印象は日本独自の方法で、広く普及することになったがその背景は歯周環境が改善されてからのことで1970年以降のことだ。
50年が過ぎた今、メタルやセラミックで築かれた間接法が、革新か崩壊かの瀬戸際に立たされているのではないだろうか。光学印象、CAD.CAMという怪物の出現が現実になりつつあるためだ。まだ現実にはなってていないが、各材料メーカーの内部ではスタッフの配置転換なども始まっているかもしれない。ある日突然、使い慣れた印象材の整理統合などがアナウンスされても不思議はないかもしれない。大学内でも日の当たる場所にはいなそうなパーシャル・デンチャーなどその最先端だ。

 1900年前後の写真のデジタル化が引き起こしたクライシスはまだ記憶に新しく、その余波は20年を経た現在も残っていて、基本ゼミの口腔内写真撮影も苦しい対応を続けているのに「光学印象」など恐ろしい限りだ。

by my-pixy | 2019-09-13 15:46


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