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2007年 04月 03日
デジタル・パノラマX線写真
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 今年のセミナーで驚いたのは約半数の人のパノラマがデジタルになっていたことです。勤務医の人もいますからそのまま普及率を云々することはできませんが、昨年までとは大きな変化です。昨年までは自現機で苦労している人たちを手現に引き戻す役回りでしたが、どうやらそれは終わったようです。デジタル写真では急先鋒を自負しながら、X線写真となるととたんにアナログ派に変身することにはジレンマを感じているのですが、まだまだ動きはとれません。デジタル加算だなんだといわれてもデンタルX線についてはシステムも完成していますし、何といっても画質的に生涯フィルムから離れないでしょう。
 ただパノラマX線となると画質の差はきわめて接近してきますし、逆転している事も少なくありません。躊躇している主な原因はイニシャルコストとシステムの問題です。確かに被曝も減らせるでしょうし、現像問題は完全にデジタルの天下です。パノラマX線を最初に導入したのは60年代のことですし、現在はメインテナンスの患者さんにも継続的に使用していますから、依存度は高い方です。暗室作業が負担にならないといえば嘘になりますが、頻度は2日か3日に1枚ぐらいですから我慢の範囲内です。問題はこの後です。フィルムはカルテやデンタルX線とともに診療の都度だまっていてもチェアサイドに出てきます。必要なのはシャーカステンだけですから院内どこに持ち運ぶのも自由です。
 患者さんの名前や撮影年月日、撮影条件などはすべてフィルム上に記録されていますから迷子になることはありません。口腔内写真のある患者さんでは、現像直後にカメラでコピーして同じホルダーに入れてしまいますからこちらから見ることも可能です。
 パノラマX線導入を躊躇させている事にはもう一つ問題があります。CCDかイメージングプレートかの黒白がつかないことです。コスト問題を抜きにすればCCDが優位ですが、フィルムとの比較ではデジタル特有の画像への戸惑いもあって決心はつきません。Macに載らないソフトウエア問題もあって膠着状態は続きそうです。

by my-pixy | 2007-04-03 12:51


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