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2008年 10月 30日
インレーは不要になったのか 1.
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 日常の臨床でよく見かけるメタルインレーです。歯科臨床にはいろいろな目標がありますが、修復に関してはこうしたマージンがそのまま支台歯上に再現されることが大きな目標です。そのために形成、印象、技工作業、セメント合着など総てのステップにこだわって仕事をすることは多くの歯科医に共通なことでした。
 しかし最近になってこうしたこだわりに優先する問題が増えるにつれ、マージンへの関心は薄れてきているようです。その第一が金属露出の問題です。たしかに下顎などでは咬合面まで歯冠色にしたいといわれる要望は理解できます。しかしメタルに代わる安定性は絶対に得られません。同じような窩洞でもどうしてもといわれればリスクを承知していただいて、セラミックを使うこともありますが、クラウンにはしたくありません。
 セラミックスのマージンにはメタルと同じ適合は期待できませんし、チップする危険性も高くなります。基本的には小臼歯までを原則にしていますが、硬質レジンにもしたくないのでセラミックスもゼロではありません。ラミネートベニアなど前歯や第一小臼歯などが主体ですが、われわれの臨床ではオールセラミックスの出番はクラウンよりもインレー、アンレーなのです。
 いまセラミックスは 割れない強さを売り物にCADCAMとジルコニア一色の時代になっています。インプラントとジルコニアを手がけないものは歯科医ではないといわんばかりの勢いです。でも本当にそうなのだろうかということが、これからのシリーズです。

by my-pixy | 2008-10-30 16:29


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