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2016年 10月 24日
悪いのは日本の役所か!
悪いのは日本の役所か!_f0103459_11545766.jpg 少し細かなプライマーの説明が欲しいと思い説明書を探した。薄紙両面に印刷され16折りに畳まれたものが出てきたが、はっきりしない。スキャナーで読み込んで画像調整してやっとこの通り。さらに裏面にも同じ量の記載がある。被着面の処理:セラミックス(陶材以外)・・という出だしで始まったのだが、自分でも私は何を知りたかったのか忘れてしまった。お役所はこういう書式で認可したり、しなったりするのだろうと思うと・・・何ともうんざりしてきた。

 私たちは義歯床のレジンと一部の金属フレームとの接着は期待するが、万能接着剤を求めているわけではない。そのために、この2面に亘る難解な説明書を理解しなさいというのなら、余計なお世話のように思うし、よりシンプルなリベース時に必要な接着剤がほしい。それがゴム糊のような接着剤では困るので、接着用プライマーではあってはほしいのだが、せめてセラミックなどは外したリベースⅢ用の説明だけが欲しいのだが無理なことなのだろうか?

 リベースは一本義歯から総義歯まですべてで必要になる。多くの義歯はプロビジョナルから修理、改造、追加などくり返しながら20〜30年を経過していく。その軸になるのがリベース材とプライマーであることを考えたら、もう少しそれに特化したシステムに向けた材料開発が望まれる。それによって、CAD/CAMより実行力のある医療費軽減も可能になるはずだ。お役所もメーカーも臨床家の悩みをしっかり理解してほしいものだ。「義歯の修理改造」を正面から組止めたセミナーがあってもよさそうだ。レジンコアの話とリベースの話は場が違う。何でもマルチは止めて欲しい。

# by my-pixy | 2016-10-24 11:52
2016年 10月 22日
辻まことさん
辻まことさん_f0103459_10513394.jpgコピーした辻まことさんの紙切れはもう10年以上も机の上であちこち散歩しています。 私にとってはお経のような一文で、何度読み返して気持ちを鎮められたか分かりません。手書きのものでも見つかれば額に入れたいようなのですが、コピー用紙の縁はまがりきいろくなっています。しかし3つの言葉は年々重みを増してきています。

  

      辻さんの持ち物が拡がった西湖の小屋も懐かしい光景です。辻まことさん_f0103459_10261043.jpg

# by my-pixy | 2016-10-22 10:10
2016年 10月 20日
トクヤマ・リベースⅢ・2
CASE1トクヤマ・リベースⅢ・2_f0103459_9483793.jpg

 余計なお節介をしている。近々火曜会のデモでということでカタログなどを持って見えたが読む気になれない。材料屋さんに配って歩くカタログだというがわれわれにはピンとこない。必要事項ははすべてを網羅しているらしいが、こんなカタログは歯科雑誌と一緒にゴミ箱直通だ。折角の新製品の何をアピールすべきか現場を知らない人たちかを理解させるすべもない。

 あげくの果てちょうど見えた患者さんの小さなリベースを見てもらった。これでもどうか分からないが、後は動画配信しかないだろう。しかし相手あってのことそこまでは踏み込めない。せめてりべースは総義歯だけではなく、こんなケースにもキュアグレースより遥かにましなことを理解してもらうだけだ。流れやすい初期、付形成のよい2〜3分後、5分以降の切削研磨、そしてトクヤマお得意の接着だ。

















CASE2
トクヤマ・リベースⅢ・2_f0103459_1129479.jpg
初期の流動性が高い時期に細部に流し込み、餅状なってからはスパチラで形を整えてから圧接することで研磨前の形状が整えられる。厚みの予測のつきにくいときは、事前にフィットチェッカーや柔らかめのアルギン印象で確認してから行えば、適量のリベース材で床縁の形態などもきれいに仕上げられ、気泡だらけのリベース材で闇雲に行っていた時代とは隔世の感がある。使いこなすと義歯製作時の流し込みレジンに近い材質で仕上げられるので気持ちが良い。こちらが大きく前進しただげにキュアグレースの物性改善が待ち遠しい。トクヤマ・リベースⅢ・2_f0103459_913287.jpg

# by my-pixy | 2016-10-20 08:00
2016年 10月 17日
軽井沢.2
軽井沢.2_f0103459_1144689.jpg軽井沢.2_f0103459_119792.jpg 久しぶりの長野新幹線でしたが今回はスキー場ではなく途中駅の軽井沢で下車しました。近年多くスキー仲間が東京から軽井沢に居を移して大いに気にはなっていましたが、彼らはもともとみな夏は軽井沢生活でしたから私が一緒になるのは冬だけで、私にとっては軽井沢は通過地点でしかなかったのです。

 この日のご案内は9月15日の土竜の記事にも載せましたが、フィンランドのカリスマ的建築家アアルトを巡ってのものでした。文字を読む前に上の写真をクリックしてみて下さい。D500ともどもマダガスカル以来の1枚です。真ん中に生えている木はこぶしですが春スキーの頃には真っ白な花が咲きます。下で固まっている人たちはフィンランドから見えたこの日の講師達で、懐かしい「峠の釜めし」で昼食中でしたが、きらきらするような光にD500もはしゃいでいるような感じで、水没したカメラではこうは行かなかったでしょう。


下の写真は講演会終了後のパーティのおつまみです。シュークリームも柿、リンゴ、チーズなども抜群でしたが、飾り付けの洗練されていることや、たくわんも仲間入りしているところが年期を感じさせました。
軽井沢.2_f0103459_11304562.jpg
最後は吉村先生の山荘のイラストで思い出した、かっての真鶴のたたずまいとこぶしの花です。20年で大分変わってしまいましたが、フィンランドや軽井沢ナショナルトラストに仲間入りさせてほしいものです。村野藤吾先生に始まって、松隈先生の追っかけになっていますが、まだまだ奥は深そうです。新幹線は立ちんぼでしたが峠の釜めしを食べながらの一時間で帰着しました。

# by my-pixy | 2016-10-17 08:31
2016年 10月 16日
境界線と領域・試行錯誤とヒストリー
 先日の放送大学でも海の国境線を決めるための話が面白かった。北欧、ヨーロッパ沿岸、イギリスなどの領海を時間をかけて平和裏に決めていった歴史などを聞くと、最近の南沙諸島問題などどうしても無理がある。しかし日本政府の駆け込み警護だとかいう対応も苦しい限りだ。

境界線と領域・試行錯誤とヒストリー_f0103459_14255054.jpg 話は変わって歯科大学の中の境界線は随分勝手に変更されているようだ。われわれの時代は補綴学会は一つで、大学によって2〜3講座に分かれていた。分割しやすい総義歯とCr-Brはそれぞれ一講座を確保しRPDは半端物扱いだった。この分割には不満で、Cr-BrとRPDは一体化すべきだと考えていたので「有歯顎の補綴」という演題をよく使っていた。英文ではFixedかRemovalかだけで明快に分割されるのに、パーシャルデンチャーという長いカタカナは、タイトルとしても何時も苦しんだ。
 しかしこの時期に臼歯部咬合支持という概念がほほ確立していたことが、その後全顎補綴・オーラルリハビリテーションなどの混迷の中に飛び込んでいったときには大いに役立った。


 先日の山形学会の冒頭のケースにしても、左右的な臼歯部咬合支持の欠落という視点で考えなければ、すれ違い咬合にはつながらなかっただろう。この時点でははっきり意識はしていなかったが、現在ならば臼歯部咬合支持の偏在という視点がはっきりしているが、このことには前後的なすれ違い咬合の経験が生かされている。そして「すれ違い咬合」という概念を明確にしないまま、パーシャル・デンチャーの分類を考えてきた欧米との間には、大きな断層を生むことになった。 
  アイマスクをかけたSchweizerの症例には少なからず筋の緊張が見られ、クレンチングやブラキシズムの存在が間違いなさそうだ。とすれば何はともあれその緩解なしには何も始まらないだろう。その過程で必要なこと、その難易度などが解き明かされれば、事後の対応には大きな指針になっただろう。
 しかし半世紀前にはだれもそこまでの余裕が無かったことは当然で、われわれも何も分からずその症例報告に驚くばかりだった。しかしようやくここまでたどり着いたのだ。

# by my-pixy | 2016-10-16 07:50